話上手より聞上手 ( 光明世界二号 昭和十年三月四日)

教理の宣伝をする場合話上手より聞上手が肝要である。相手の話を能(ヨ) く聞く、能く聞けば先方は満足して快よく対する。其所を狙って宣伝をするのである。少しでも議論めいた話を避け何処までも和気藹々裡(ワキアイアイリ)に話を交換しなければならない。其間でもコチラの話が一寸でも先方に不快を与へずやと絶えず注意し、若し先方の顔に暗い影が射せば直に話を転換するといふ風にしなければならない。次に相対する場合何処までも先方を上座にコチラは下座にゆかなければ駄目だ。処が往々先生と言はれるようになるとブリタがるもので此の点大いに注意すべきである。

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