大光明世界の建設 「病気の原因とその解消」(病貧争絶無の世界を造る観音運動とは何? 昭和十年九月十五日)

 現在、生きている人間は、自分一個の存在でなくて、祖先の繋りで、祖先の延長である事を知らなくてはならない。また言い換えれば、無数の祖先の総合が、個体たる自分である。無数の祖先の霊線が、自分一個の霊と繋ぎ合っている。ちょうど、紙風船の糸の形を想像すれば判る。

 故に、祖先が負うている、諸々の罪穢なるものは、霊界における、その天律的浄化作用によって、その残渣(ざんさ)たる霊汚素(れいおそ)が、絶えず現在の人間の精霊へ、流れて来る、それが人間の精霊を曇らせる原因である。その曇りがある程度を越ゆる時、それが病気となって、肉体へ現われるのである。

 西洋医学は、肉体へ現われたる病気を、薬剤や器械で治そうとするのである。然し、よしそれで治った所で、精霊の曇を払拭されない限り、再び肉体へ病気が現われるのは当然である。これも社会事業と等しく結果のみを治す膏薬張式で根原を無視した行き方である。一時的方法でしかないのである。

 観音の光。それはラジュウムより、何十層倍の価値ある光であるから、精霊がそれを浴びるや曇りは解けてゆく、精霊の曇りがなくなれば。肉体の病は治るに決まっている。

 観音は救主であられる。罪を赦す御方である。祖先の罪穢による、精霊の曇りを払拭するという事は、その罪穢を赦す事である。これが根本的の治病法であるから、再発の憂いがないのである。否益々健康になってゆくのは少しも不思議ではないのである。

 この様に精霊の曇りが浄められるという事は、遡(さかのぼ)れば、祖先の罪が赦されるという事になるから、地獄界に苦しんでいた祖霊達が向上して、天国へ救われる事になるので、その信仰の徳は予測できない程の洪大無辺なものである。

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