*仏壇について 御垂示録2号 昭和二十六年九月五日④

先祖の罪

《お伺い》N市外のK市の経師屋で、中々熱心であり、別院の表装もお願いしておりますが、家族はおじいさん一人と夫婦と子供三人で、長男十五才、次男十才、長女十三才で御座いますが、長男は生まれつき白痴であります。次男は八月二十五日に苔猿と言う有名なお寺に遊びに行き、小川で溺死しました。去年の三月二十五日には当人の叔父が縊死しておりますが、何か関係があるものでしょうか。おじいさんは、本当のおじいさんですが、家がなくなったので、伴と言う家に行き、その家を立てたのですが、禅宗で、今迄おじいさんの家でお祀りしてましたが、次男が亡くなってから本願寺でお祀りしてます。

《御垂示》代々禅宗ですか。

《お伺い》代々禅宗で、その家の息子が養子したのです。

《御垂示》家が本願寺ですね。おじいさんが禅宗で、夫婦先の家が真宗ですね。家と言うのは夫婦養子の家ですね。おじいさんのは他にあったのですか。

《御垂示》狭い為に真宗の仏壇は家に預けまして、おじいさんの禅宗の仏壇でお祀りしてました。

《御垂示》別に構わないですがね。それは良いが、祖先はおじいさんの方に祀ってあるんですね。

《お伺い》子供が死んでより、家に引き取り、別々にお祀りする様にしてます。

《御垂示》おじいさんの家は絶えちゃったんですか。

《お伺い》はい。

《御垂示》しょうがないですね。

《お伺い》叔父が縊死しましたのと、次男が溺死したのは、因縁が御座いましょうか。

《御垂示》叔父は夫婦養子の兄弟ですかね。縊死したのは祀ってあるでしょう。縊死したのはどっちですか。夫婦養子の方の叔父さんですか。

《お伺い》生まれ元の叔父です。

《御垂示》すると禅宗ですね。それは何処に祀ってある。

《お伺い》一軒持っている為に嫁が祀ってあります。

《御垂示》そうすれば、そんな事はありませんよ。何時入信ですか。

《お伺い》二十三年の冬で御座います。

《御垂示》そう言う訳はないがね。おかしいですね。男に祟ってるんですね。よほど罪があるんですね。祖先の罪ですね、信仰の間違いじゃない。長男が白痴と言うのは、よほど前世に罪があった。男に跡が継げない様にさせられている。妻君は幾つ位ですか。

《お伺い》三十四、五位と思います。

《御垂示》未だ子供ができる可能性がありますね。どうしても、人間にひどい罪があると、子供をいくらか犠牲にしないと追いつかないんです。普通では、そうでもないが、段々世の中が切り替えになる時になると、清算されて来るから、大きな罪が取れると良くなります。信仰を一生懸命やると良い。伴と言うのは藤原から出たものですね。

仏壇の扉は開けておく

《お伺い》四国の剣山の麓では仏壇の扉はしめたままで、お供えする時は開けて居りますが、之は開けて置いた方がよろしいのでしょうか。

 《御垂示》 無論開けて置いた方が良いです。祖霊に聞かして置いた方が良いです。閉めるのは 大変な間違いですね。 

《お伺い》 そう言う習慣だそうで御座います。

《御垂示》単に習慣と言ってもね。先にも――祖先に話してやらなければならないと言うので、ろくでもない話をして居た。今迄の人間の習慣は、ろくでもない事が多いですからね。それから、霊ですからね聞きたければ出て来て聞けば良い様なものだが、閉めてあるのを出て来ると、忍び出ると言う事になり、霊界では許されない。開けてあって、はじめて聞けると言うものです。

位牌がない

 《お伺い》代々大社教をやっている家で、大社教では先祖代々の位牌がない訳ですが、それは何う言う風に作れば良いでしょうか。剣の様な形をした白木に死んだ人の名前を書いてありますが。

 《御垂示》代々大社教でしょう。それでは、今更仏界の方では――しょうがないから、その儘で良いでしょう。

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