*大乗小乗/稲荷/観音様(御垂示録5号 昭和26年12月1日②) 

大乗小乗

《お伺い》小乗と大乗と言う事で、御言葉を頂きます時、大乗とおっしゃられます。普通は大乗と言うのは、小乗に対する大乗で、経と緯になり、大乗は経緯で、もっと大きなものになっていくものと思っておりますが

《御垂示》何でも大乗的見方でいくと、一時は悪くても、結果において良くなっていきますね。小乗は、一時良くても、結果が悪くなる。医学なんかはみんな小乗です――薬や機械で治すと言うのはね。しかし、小乗は直ぐに良く見えるから、良い様に思う。大乗の方は、結果が遅いからね。そこで皆んな間違えちゃう。今迄、本当の大乗はないんだからね。そこで、そうかと言って、大乗だけじゃしょうがないですね。小乗もなければ――大乗だけじゃ誤解があるからね。大乗にあらず小乗にあらず、大乗であり小乗であり――較べて見て、どっちかと言うと、大乗にする。一番の間違いはそれから、決めると言う事が間違いですね。決められない様にできているんだからね。真理と言うのは、決められない様になっている。だから、決めるべき事と、決めない事と、区別しなければならない。決める事も、永遠に決める、時間的に決める、刹那的に決める――とね。

人間が本当に良くなれば戒律はなくなる

《お伺い》大乗小乗は身体で言えば、骨が小乗で肉が大乗と考えまして。

《御垂示》そう言う点もありますね。だから、教会なんか、小乗だったら、決して発展しないからね――骨だからね。骨に触るのは、誰だって厭だからね。やはり肉の方が良いからね。しかし、骨だけだったら――八十以上の婆さん――そうかと言って、肉ばかりじゃピンとしないですね。グニャグニャになってね。処が、今迄何んな宗教でも、みんな小乗的でね。だから、本当言うと、戒律と言うものもない位にならなければならないね。処が、戒律がなかったら危険だからね。それで、人間が本当に良くなれば戒律はなくなる。戒律が要らない様な人間にならなければ駄目ですね。今度の文部大臣の天野氏か――あれが、変な――国民実践要綱と言うのを出したが、あれが今言う戒律だからね。こうしちゃいけない、ああしちゃいけない。こうすべし、ああすべしと言って、人間が、良い人間になるんじゃ――檻がなかったり紐がなかったりすると、危ないと言うのと同じですね。放ったらかしてやっても、勝手にしろと言っても、ちゃんとやるのが、人間の価値があるんです。けれども、今迄の世の中は、そう言った戒律がなくちゃ人間が駄目だったから、有って良かったんですね。本当の人間になってなかった。半獣半人だからね。獣的のところが、戒律になる。

稲荷

《お伺い》今年の夏、箱根で御教え頂きました西宮の井戸から石が出たと言う事で御座いますが、漸くにして持って参りましたが、同時に会社を解散し競売する事になりましたが、お蔭様でこちらが思っている通りの値段で売れました。しかし、工場の敷地が、道をはさんで両側にあり、別々に売れた為に、稲荷を祀ってない方に作るべきか、共同にすべきかと言う事でございますが。

《御垂示》共同が良いじゃないですか。会社は別でも、狐は喜びます。

観音様等の取り扱いについて

《お伺い》信者で、所持している観音様の画像で御座いますが――昨晩ので御座います。

《御垂示》あれはいけませんよ。

《お伺い》信者として、仏壇に入っている様な小さいのと、床の間の大きいのと、茶掛けにしたのとの、取扱いに就きまして。

《御垂示》値打ちのあるものなら良い。それが――下らないのは処分した方が――焼いた方が良いです。例えてみれば、贋物みたいな物は反って御無礼です。夕べのは贋物ですからね。そうでなく本当に良い物は、取って置いて、しかるべく扱った方が良い。私が見てあげます。

《お伺い》筆者は――現代の作者で御座いますが。

《御垂示》でき具合がありますからね。丁寧と、良い加減に書いたのと――とにかく全部持って来て御覧なさい。見てあげます。

《お伺い》支那の大同の石の観音さんを写真にして持っておりますが。

《御垂示》石仏にも沢山ありますがね。良い悪いが色々あります。それは、額にしても、何にしても良いが、神様の部屋はいけませんよ。他ならね。仏にも、姿で位がありますからね。見てあげます。

《お伺い》観音さんのお像は御神体の前に安置し、大黒さんは違い棚と御教え頂きましたが、違い棚がない場合には。

《御垂示》やはり、それも作がありますよ。観音さまは粗末でも、大黒さんが立派なのもあるし、それから、あべこべもあるし、やっぱり見るだけの。

《お伺い》「神光」の御書体の前に安置しております。

《御垂示》それは、極く良い。私の書でしょう。これも御神前に置く物の程はないな。これも瀬戸物の観音さんと一緒に――この方を真ん中に置いて、瀬戸物は向かって右の方に――それで良い。

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