「叡智の光」(2)地上天国17号 ※稲荷 昭和二十五年十月十五日

        【お伺】三年程前に入信致しました信者で、一家入信し御神体もお祀り致しております家で御座いますが、入信当時それまでお祀りしておりましたお稲荷さんの祠(ほこら)を調べました処、お札が何時の間にか紛失しておりました。近所の子供が取り出して捨てたものらしく、その後へ玩具様のものが入つていたそうで御座います。そのままにして現在祀ってないので御座いますが、その後、家の中が中々まるく治まらず、特に現在は入信致しました父がひどくこのお道の反対を申し、娘さんが人の御浄霊を致します事さえ許しません。他にも色々と曇りの多い家で御座いますが、この父の反対は捨てられたお稲荷さんと関係が御座いましょうか。お稲荷さんの名前が分からなくなっているそうでございますが、改めて祭ると致しますと、どの様にしてお祀り致しますれば宜しゅうございましょうか。御教えを賜わりたくお願い申し上げます。

    【御垂示】多分稲荷の霊だと思うが、名前も判らず、お祭りをする程の事もないから、そのままでよろしい。父親が反対し、家族の者が苦しむとしたら、家族の人達も罪穢があるのだから、人助けをするのがよいが、それも反対されるとしたら、出来るだけ御神書を読むようにする事である。それによって身魂が磨けるから、父親の反対も段々薄らぎ、再び信仰を取り戻す事になる。焦らず時節を待つべきだ。

        【お伺】一家四人入信し、御神体を奉斎致しましてから三年になる熱心な信者で御座いますが、入信前より主人は右足の膝が腫れ、最近はちょっとした拍子にもギクンとひどく痛み、足の裏がつけない様に辛く、腰が痛んだり、ポツポツと熱くなり、入信前より辛くなって来ております。主人の父親は、今より五十年前屋敷を買い、そこに古い稲荷があったのを、その家主が稲荷の御神体を持って行きましたので、残っておりました榊の木を切ってしまいました。その後二月が来ると水子が次々に亡くなり、あまり不幸が続きますので、ある人に見てもらいました処、稲荷が祟っているからと言われて、また側に祭り、その後引っ越しまして、稲荷の祭が出来ないからと床の間に祭りましたところ、今度は年上の子供から亡くなります。人の勧めによりまして日蓮宗を信仰致しましたが、一向よくならず、その後一家四人お道に入信致し、御神体をお祀りすると同時に、不要の物は全部処分して頂きました。昨年夏頃妻に霊が浮き、初代の先祖だと称し、主人のお婆さんが自分は大変苦しみ(主人の父親が兵隊逃れにお婆さんの家へ貰われてゆき、そのお婆さんは生前足腰が長年悪かったそうで御座います)なかなか救って貰えなかった為に何人も殺した事をわび、お観音様によってやっと救われそうだといって喜び、なお信仰を続ける様に、また家を守護する事等を述べました。その数日後、稲荷が浮き、家がないので帰れない。ここはお光がつよくとても居られない。どうか帰れる様にして欲しいと申しますので、昔の地所に家を建ててやり、希望通り正一位稲荷明神として祭り、そこに住んでいる人に話してお詣りして頂いておりますが、その後も体の状態が変わりませんので、光明如来様にお念じ致しておりましたところ、最近また稲荷が浮き、浄まって、お経を沢山聞かねば帰られない。正一位稲荷でなくて権兵衛稲荷として祭って欲しいと申しますので、希望通りに致しました。なお、お婆さんと一緒に家の中を荒した事などをわびまして、今度こそ帰りますと申します。浮く毎にその通りにしてやりますが、一向よくなりません。いかように致しますればよろしいでしょうか。

    【御垂示】足の腫物は薬毒がそこから出るのだから結構である。膝裏から腎臓部、右股の付け根を押すと痛い固まりがあるから、そこを浄霊すれば治る。また稲荷へは天津祝詞を奏げて、言葉持って、この家へおいて貰いたければ大人しくしなさい。災いをするなら、速かに帰りなさいと言ってやればそれでよろしい。後、何か要求しても言う事を聞いてはいけない。ただ、差し支えない願いなら聞いてやってもいいが、無理な願いならよく道理を説いて、たしなめてやればそれでいい。余り狐霊の言う事を聞くと、段々図に乗るから、限度を決めて、それ以上応じなければ、狐霊は諦めて了うものである。

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