岡田茂吉 咽喉疾患 [上体の下部]『岡田先生療病術講義録』下巻(二)昭和11(1936)年7月 | 岡田茂吉を学ぶ

咽喉疾患/その他 [上体の下部]『岡田先生療病術講義録』下巻(二)昭和11(1936)年7月

 咽喉疾患 

 アデノイド

 これは、鼻と喉の間に「腫物」が出来る

 これは外の方から、鼻と喉の間あたりの見当をつけて治療すれば治ります。

 ほとんど子供の病気ですが、うっちゃっておいても成人するに従い治るのであります。

 扁桃腺

 扁桃腺は、外の方から指触すれば直に腫が判るので、診査は極容易であります。

 よくルゴールという薬で焼くがこれは面白くないようです。

 この療法は、私も昔随分やられましたが、反って長びいて慢性になりやすいのであります。焼く為に一週間も二週間もかかります。

 私は焼かなくなってから二、三日で治るようになったのであります。

 扁桃腺肥大症

 扁桃腺〔炎〕の起った時に解熱法を行う。その為に膿が固結するのであります。これは最初の項目で詳説してあるから略します。

 「耳下腺炎」も「淋巴腺炎」も前同断ですから略します。


 頸部付近に水膿溜結の場合、解熱したり、電気をかけたりすると固まってしまうので、その為又隣部へ出来て段々殖える事がよくあるのであります。

 最初一個所脹れた場合に、放置しておけば、その一個所へ膿が集溜し、充分脹れてついにブラ下る位になって、そして小さな孔があいて、膿が出て綺麗に治るんであります。

 以前、私が扱った患者でこういうのがありました。

 最初耳下腺付近に脹が出来たので、盛んに氷で冷した。すると、その部分は脹れ切れずに固まったので、病院へ入院した。

 すると今度は、反対の側の方へも腫が出来た。それをも氷で冷し、次々出来ては氷冷して、次から次へ出来た腫物を悉(ことごと)く固めてしまった。するとその為に膿がその部へ集溜されなくなるから、段々下の方へ溜るようになって、ついに肺気腫が起りそうになったのであります。

 医師は驚いて、生命が危険だというので、切開して膿を出したが、それも一時小康を得ただけで今度は、外部へ集溜されなくなった膿は、止むなく内部――即ち口内から咽喉部へ溜って、ついに咽喉が塞がり、呼吸困難になって死んだのであります。

 死の一ケ月ばかり前に私の所へ来たのでありますが、私の方でいくら溶いても「氷で固めてある為」と「衰弱の為」に浄化力が起らないので、どうする事も出来なかったのでありました。

 この患者など、最初から何ら手当をせず、放任しておいたなら、順調に治って生命を完うしたろうに――と思って実に残念で堪らないと思ったのであります。

 喉頭結核


 この病気は声を使う人に多いので、最初、顎下腺から扁桃腺付近に膿が溜り、漸次深部へ拡大し、咽喉部にまで移行するので、その為に声が嗄れるのであります。

 段々進むに従って、食物をのむのにも困難になり、水も飲めなくなって、衰弱してたおれるのであります。ちょうど喉へおデキが出来て、そして、その『おデキ』の頭へ物が触れるように痛むのであります。

 これは本療法によれば順調に治ります。

 しかし余り衰弱し過ぎているのは困難ですが、「歩ける位の程度」だったら必ず治るんであります。

 軽症で一ケ月、重症で三ケ月位で全治致します。

 声嗄れ

 喉頭結核でなくて、声の嗄れてる人がよくありますが、これは「喉頭結核の手前」位のものです。

 これは、耳下腺から淋巴腺付近に溜結している毒素が溶けて、常に滲み出て、発声器能を刺戟する為、腫れて運動不能になるからで――

 これは、それを溶解する事によって、容易に治るのであります。

 軽症で二週間位、重症で一ケ月位であります。

 喉頭癌

 これは、水膿溜結の頑固性のもので――

 外部から指頭で触れば、扁桃腺のごとく明瞭に判るのであります。

 そうして、順調に治癒するのであります。

 軽症で二、三週間、重症で一、二ケ月位かかります。

 喉頭癌と喉頭結核との区別は――

 結核の方は喉全体に渡りますが、癌の方は一局部に出来る固結であります。

 バセドー氏病

 喉の下に「甲状腺」というのがある。そこへ水膿が溜結するので――

 一見、喉の中央が出張っているのであります。又この病気の人は、全体的に見ても喉が太いのであります。

 普通、甲状腺が脹れる――といいますが、私の観るところでは――甲状腺の外部に水膿が溜結するのであります。

 バセドーという人が発見した病気ですが、病が進むと眼が飛出るのが特徴で「眼の大きい人」に多いようであります。

 そうして、悪化すると心臓を頗(すこぶ)る悪くする。その結果「脈縛不正〔整〕」又は結滞(けったい)を来すのであります。

 普通は、治りいい病気であります。

「妊娠すると危険だ」――といって、人工流産させますが、私の経験上、そんな憂はないと思うのであります。

 水 癌



 これは実に恐ろしい病気ですが、滅多にない病気であります。

 最初は、口辺に黒い物がプッと出来、迅速に悪化して孔(あな)があき、頬の肉が、大きいのは鶏卵大にも欠除してしまうので、その結果、口中全部が露出する。歯や舌など全部見えるのであります。実に物凄く正視出来ない位で、横からみますと、左図のようになります。

 その他

 面  疔

 顔面の一部に腫物が出来るんですが、よく『顔の経(たて)の中心』に出来るのが質が悪いとしてあります。

 又、口の無いのも悪いといいますが、これはそうではない。

 最初は口の無いのが普通で、腫れ切ってから口が出来るんであります。

 面疔(めんちょう)は必ず治るもので――よく面疔で死にますが、これは不思議と思うのであります。

 まず、顔の一部に面疔が出来ると――

 自然療法ですと、段々腫れて、口が出来て膿が排泄されて治るんであります。

 ところが、近来それを冷すので、その為に浄化作用が停止されて固まってしまう。それ故、膿が他の方面に集溜する。その集溜個所によって『危険性』となるのです。

 又もう一つは、早期に切開するのが、結果がわるいようであります。

 熟練な医者は熟するのを待って切開しますが、これは非常に結果がよいのであります。

 本療法によれば、一回ないし三回位で完全に治ります。生命に係わるような事は絶対ないのであります。

 丹  毒

 これもよくある病気ですが、これは床屋へ行って、剃刀(カミソリ)で傷つき、そこから黴菌が入って起るとされております。無論そういう事もあるでしょうし、そうでない事もあるでありましょう。

 やはり浄化作用の為「特殊の毒素」がそういう機会によって誘発され、排除されるのであります。

 この病気は、最初顔が脹れる。ひどくなると身体の方まで脹れ、なお進むと睾丸まで脹れる事があります。又高熱の為衰弱するのであります。

 衰弱をしない内、本療法を行えば訳なく治ります。

 半身位まで脹れた時ならば五、六回、顔だけが脹れた程度なら二、三回位で治ります。

 口  疹

  口の端や唇へオデキができたり、糜爛したりするのは唾液に毒素があるからであります。これは、患部と口中の浄化をすれば、容易に治るのであります。

 しかし軽症なら一週間以内に治りますが、重症となると二、三ケ月位かかる事があります。

 口 内 疹

 これは口内の粘膜に発疹が出来て非常に痛む、そして喉の方まで来ると食物も嚥(の)めなくなります。子供に多い病気で水さえ飲めなくなります。

 これは治療すればすぐに治るのであります。治療は二、三回であります。

  

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