純日本医術の建設(一) 一、臨床診断の欠陥 (光明世界二号 昭和十年三月四日)

 今日迄の臨床診断法としては、重に聴診器と、打診と脈診と、舌又は眼を検する位なれども、余が実験上、指頭に依って、診断の大いに効果ある事を識れり。実際に於て医師諸君が発見し得ざりし病源を発見して治癒せし事、今日迄に幾許(イクバク)なるを知らず。故に余は此の指頭診断を医家に向って、是非とも推奨せんとするものなり。特に脳神経衰弱、脳充血、眩暈(メマイ) 、眼病、扁桃腺、淋巴腺、耳鼻咽喉、吃音、発音不能、肺の諸疾患、胃病、腎臓病、中風、各癌腫、腹膜炎、喘息、卵巣等の患部原因、孰れも指頭に依って掌(タナゴコロ) を指すが如く、適確なる診断を得らるべし。されば此の指頭診断法其他に就て、諸病に渉り逐次余が実験を発表すべし。

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