浮腫及び盗汗 (天国の福音 昭和二十二年二月五日)

 浮腫(むくみ)は其原因に二種ある。普通は腎臓萎縮又は膀胱の支障であって、腎臓萎縮は一般的浮腫の原因である。重症は全身的、軽症は局部的で、例えば左右孰(いず)れかの半身又は下半身というような事もある、然し乍ら局部的と雖も顔面又は片腕、脚等の場合は萎縮腎でなくその浮腫部にあった固結毒素の浄化溶解の為である。ここに注意すべき事は種々の病気が重症に進む場合、脚の甲に浮腫発生する事がある。これは死の信号ともいうべく、先ず恢復困難と見るべきである。又脚気の浮腫は膝下に限るとみていいので、医診は足部に浮腫さえあれば無差別的に脚気と断定するが、軽率も甚しいのである。

 次に医家も世人も全然気付かない浮腫がある。これは女学生に最も多い症状で、頗(すこぶ)る肥満し、俗に固肥りという訳で一見非常に健康そうに見えるが、健康でない証拠は常に疲労し易く、動悸、息切(いきぎれ)、身体重量感等種々の支障が起り易いのである。この原因としては、萎縮腎に因る余剰尿が全身的に少量ずつ溜積しそれが長時日に渉(わた)り固結するので、勿論本人は気付かないのである。故に少量の食餌を摂るに拘わらず肥満する人があるが、それは右の如き人である。

 また膀胱と尿道との境に結石、又は膿結が閊(つか)えその為尿の流下が妨害され、浮腫の原因となる事もあるが、これらも本医術によれば容易に治癒するのである。

盗汗(ねあせ)は結核の項目に述べたから、ここでは局部的発汗を説明する。よく頭脳、顔面、腋下等何かの衝動によって発汗する人があるがこれはその部に尿毒があり、その浄化としての発汗である。そうして健康者は常に全身的に発汗し易いのが普通で、健康そうに見えても、局部的発汗又はあまり発汗のない人は、何れかに故障があるとみるべきである。

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