岡田茂吉 鼻病/耳病/顔面神経痛 [上体の中部]『岡田先生療病術講義録』下巻(一)昭和11(1936)年7月 | 岡田茂吉を学ぶ

鼻病/耳病/顔面神経痛 [上体の中部]『岡田先生療病術講義録』下巻(一)昭和11(1936)年7月

  鼻 病


 
 鼻病で一番多いのは蓄膿症であります。蓄膿症は、鼻の孔(あな)が塞がる症状で、これには根原が二種あります。それは、鼻柱の両脇の場合と、眉間から両眼の間に膿が常に溜っては鼻孔から出ようとする。しかるに膿が濃い為に出切れず、途中で固まるのであります。

 普通左右交互に塞がるもので、治療をすると直に通る様になります。

 診査の場合、鼻柱の両側を圧して痛いのと、又眉間の中央が重いのは、そこに水膿溜結があるからで、眉間の方の患者は治癒の際、鼻血が出る事があります。

 まず軽症で二、三回、重症で二、三週間で全治するのであります。

 鼻茸(はなたけ)は、鳥の霊で鳥の嘴(くちばし)が物質化する。それがちょうど、茸(きのこ)のようですから名付けたものと思います。これもよく治ります。浄化作用をすれば段々畏縮し崩壊するのであります。

 まず軽症で一週間、重症で一ケ月位で全治致します。

 肥厚性鼻炎は、鼻汁に含まれている毒素の為で、それによって鼻孔の粘膜が荒れる。それがおデキになり、痛み熱を持つので、常に鼻孔が乾くのであります。これも鼻を中心にその付近をやれば毒素が解消するから治るのであります。

 まず軽症で二、三週間、重症で一、二ケ月かかります。

 無嗅覚は、鼻神経の元は小脳にありますから、その間の神経に水膿が溜結して無力にしている為で、それを溶解すればいいのですが、これは深部の為――相当時日を要するのであります。
 軽症二、三ケ月――重症一、二年を要します。

 耳 病

 耳は全聾と半聾、耳鳴中耳炎耳垂等があります。

 は、中耳炎などの為に自然的に鼓膜が破れたのと、手術などで人為的に破ったのとあります。又その鼓膜の破れ具合によって、軽い重いがあります。しかし鼓膜はなくとも相当に聞えるものであります。中には、鼓膜は何とも異常がなくて聞えぬのがありますが、これは実は霊的であります。

 それは木龍というて、樹木に憑依している霊で、蛇の霊又は鳥霊であります。

 聾という字は、龍の耳と書きますが、龍は声が聞えないとしてあるが、音によって聞えるのであります。

 蛇は、笛の音などはよく聞えるのであります。

 龍には種々な龍があって、木に憑いてる龍を木龍と言い、多く大木に憑いている。松、柳、銀杏(いちょう)等が多いのであります。これらの木は霊が憑き易い。

 よく大木を伐ると祟(たた)る話がありますが、それであります。以前生麦(なまむぎ)に大きな松があって、京浜国道を作るのにどうしてもその木を切らねばならない。まず最初に枝を切った男はその晩に死に、次に枝を伐った男もまた死に、親方は不思議に思ってる内に病気になった例がありますが、これらは木龍の憑いてる木だったのでありましょう。

 聾は木龍の憑依が多く、そういうのは鼓膜が何ともなく、耳には何ら異常が無いのに聞えないのであります。

 木龍の憑いた為の聾はなかなか治り難い。これは正しい信仰によって善徳を積むより方法は無いので、その功徳によって治るのであります。

 肩が凝ったり、首筋が凝ったりするのを治している内に、今まで聞えなかった耳が聞えて来る事がよくあります。これは頸腺から耳へ水膿が入り、固結したのが溶解されるから治るのであります。ですから聾耳はまず治療してみなければ判らないので、従って、治療日数は最初から言明出来ないのであります。

 耳鳴は、中耳即ち鼓膜の裏へ始終毒素が滲み出ている。それが浄化されようとする。その浄化作用の微音が耳鳴であります。

 それが外へ出たのが耳糞になるのであります。これを治療する場合は、耳を中心にその周りを浄化すると共に、耳下腺の上部即ち耳の付根から頭全体をするのであります。

 非常に速く治るのと、日数のかかるのとあります。日数のかかるのは実験上薬剤中毒が多いようであります。

 治療は、軽症で二、三週間――重症二、三ケ月位であります。

 中耳炎、この病は、淋巴腺耳下腺付近に滞溜した水膿が、浄化作用によって耳から排泄されようとする痛みの為であります。故に痛みは膿の排除の為の穿孔作用であり、熱はその膿の溶解作用であります。

 それから中耳炎が発病して膿が盛んに中耳へ向って流動している時氷冷をすると、膿は中耳へ進めなくなり、方向転換して小脳へ侵入する。これが脳膜炎であります。ですから、中耳炎をやってる内に脳膜炎を起すのは、全く前述の訳であります。

 ここで、余病について一言申しますが、本当から言えば治病中余病など起るべきはずはないのであります。何となれば、本来の病気を治療するのですから、起るべき余病も起らないで済むべきであります。病気を治しながら余分の病気が殖える様では本来の病気は治る訳はないのであります。中耳炎を治しながら脳膜炎になるというのは、全くよいと信じた手当が反対の結果を招来する訳なのであります。中耳炎は本療法によれば発病時なれば一、二回、日数経過のもので一週間位で全治するのであります。

 耳垂は、浄化作用による水膿が排泄されるのでありますから非常に結構で、放任して置けば膿が出るだけ出て必ず治るのであります。

顔面神経痛

 この病気は、顔面の神経麻痺で症状はいろいろありますが、普通の症状としては、顔の半面又は口形が一方へ引吊るように曲り、はなはだ醜いのであります。

 これは、顔面諸所を圧すと必ず痛む所があります。その個所に水膿溜結しているから、それを溶解すれば漸次治るのであります。

 原因は、頸腺や肩部に水膿が溜結し、それが顔面にまで移行するのであります。

 この図は、昨年暮にやった婦人患者で、顔面屈折し、二目と正視出来ない醜さでしたが、非常に早く、二ケ月半位で全快したのであります。

 この患者は、専門家から治っても二ケ年かかると言われたのであります。

 しかし、発病後早期であったので、速く治ったのですが、年月を経て固まったのはとても日数がかかるのであります。且つ病気は治っても、顔面に癖が着いているので、それは自然を待たなければならぬから――相当時日を要するので、長いのは二、三年位かかるのであります。
     (昭和十一年七月)

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