【御 教 え】
『文明の創造』の医学だけは大体できた訳ですが、今度は「宗教篇」に入って来たんです。「科学篇」、「宗教篇」と「天国篇」ですね。で、「宗教篇」も普通のお説教的な説き方では面白くもないし、分かるのに手間がかかるので、できるだけ分かり易く興味のある様に書いたんですが、最初は霊的の病気ですね。それを説いて、段々宗教的にやっていって、そうして段々深く徹底する様に書こうと思っている。
(御論文「精神病と癲癇」の後の御教え)
人と言う字の「ノ」ですね。これは天から神の分霊が降った形です。下でつっかえ棒をしているのは、下から支えている。上は神から来たので、下は獣から来たのが支えている。これが善と悪で――これが人になっていれば間違いない。悪は横棒です。物質欲――体欲です。悪がなければ人間は活動力がなくなる。そこでこれが勝つと間違う。之が勝つと「✕」になる。「✕」は物を消すのですからね。消すとすれば滅びてしまう。だから「✕」にならない様に――「人」の形になっていれば間違いないのですから、之「ノ」の上を抜かない様にするんですね。しかし之「〵」がなかったら大変なんです。仏教や、キリスト教なんかで禁欲主義――仏教では山に篭ったりするんですね。
之「ノ」は善です。処が「〵」の悪の方が勝つから「✕」になる。文字は神様がつくったので、実に良くできている。ついでだから言いますが、「正」と言う字の上下に棒があるが、この上下を上、下で押えている。上下を止めてある。上と下があって、それを止めてある。つまり偏る事がいけないので、両方同じでもいけない。つまり善の方が少しでも勝っているんです。
この間女の作家で、大庭さち子が来ましたが、男女同権論の話が出て、先に「男女合権論」を書きましたが、結局男が五分五厘で、女が四分五厘なら、それで良い。五厘違えば良いです。しかし、それに非常に攻撃をしましたがね。ひどい事には女の方が上だと言うのです。上か下か――第一人間の根本の姿を考えて見ると良い。第一人間は、最初は腹に宿るんです。その種は何処から来るかと言うと、それは男の種です。女はそれを養育するんだから、根本は男にある。話をして非常に面白かったですがね。つまり、それさえ心得て居れば良い訳ですね。今の意味はそれを書いたんです。
ここ(御論文)にも、私の書いたり説いたりした事が相当あるが、大体第三者に見せるのですから止むを得ない。つまり宗教ですね。宗教の説き方はこう言う風に説いて行くと良い。飽きずに読めます。一番、誰にも読み易い。手近な例を説明して行きますから分かり易い。
こう言う説き方で段々説いていくつもりです。そうして初めて、人間は悪い事をしてはいけないと言う事が分かって来る。今迄の『バイブル』なんか――「汝こうするな」「汝何せよ」と言った処でピンと来ない。こう言う意味も書いてあります。要するに、新しい宗教の説き方で、それを段々説いていくうちに神様と言う事になる。神様を科学的に説明するんです。これも非常に大胆な、新しい試みです。驚くだろうと思ってます。今迄神様なんて事は、皆恐れ戦慄(おのの)いて触れる事を避けているが、無理もない。それを書く人の方が神様より下だから恐いが、私の場合は、私より上の神様はないんだから、大いに知らせるんです。またそれでなければ五六七(みろく)の世はできないんです。「見真実」と言うのは、一人の専売ではなくて、皆な「見真実」になれば、悪い――間違った事はなくなる。これも時節です、今迄はそう言う事ができないがね。今迄は悪が実際に必要だったんです。悪がなければ物質文化は発達しないんです。悪がここ迄発達すれば、反って悪があっては困るんです。それで、悪を打ち切りにするんです。その為にメシヤ教が出たんですから、全てはっきりしなければならない。之から宗教に入るに従って、そう言う事を徹底して書いてます。非常に為になるものです。