[日々雑感] 新型コロナと免疫。 三好基晴先生の「新型コロナとがん」に学ぶ。

 こんにちは

 今回も三好基晴先生の「新型コロナとがん」から、免疫について一部引用させていただき掲載します。

第1章 新型コロナと免疫

 1、感染症と免疫  よりウイルスと免疫について基本的な事を概略学ばせていただきたいと思います。

免疫とは疫(感染症)を免れること

 一度、麻疹にかかると二度とかからなくなるのは、麻疹ウイルスに対する免疫ができるからです。

 麻疹のウイルスは変異しにくいので終生免疫ができますが、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスは変異しやすいので免疫の持続期間が限られています。

 新型コロナウイルスに感染した場合の免疫についてです。免疫には自然免疫と獲得免疫があります。ウイルスが体に侵入すると自然免疫細胞が直接取り込み処理します。これが自然免疫で、生まれつき持っている免疫です。

 自然免疫細胞がウイルスを食作用で取り込み、ウイルスを分解する消化酵素や活性酸素で死滅させます。活性酸素は体に悪いものと短絡的に考えられていますが、重要な働きをしており体にとってなくてはならない存在です。

 自然免疫細胞は処理したウイルス特有の情報を獲得免疫細胞に伝えます。獲得免疫細胞はその情報をもとに処理したウイルス特有の抗体をつくります。再度そのウイルスに感染した時、その抗体がウイルスを攻撃すると言われています。ウイルスを抗原と言い、抗体と結合することを抗原抗体反応と言います。

 攻撃すると言っても、抗体がウイルスを破壊するのではなく抗体がウイルスと結合してウイルスの増殖を抑制します。これを中和抗体と言います。ウイルスと結合しても増殖を抑制できない抗体がありますが、何らかの有用な働きをしていると考えられます。

 また、獲得免疫細胞はウイルスに感染した細胞を破壊すると言われています。破壊すると言っても、ミサイルのように破壊するのではありません。獲得免疫細胞はまずパーフォリンと言う伝達物質を放出し、感染細胞の表面に孔を開けます。

 次にグランザイムという伝達物質を放出し、感染細胞内に侵入し自滅(アポトーシス)を促します。自滅とは感染細胞が自ら死滅することです。

 免疫とは、疫を免(まぬが)れるという意味です。疫とは、麻疹や新型コロナのような感染症のことです。

 本来、免疫細胞は外部から体内に侵入した細菌やウイルスなどを自分以外の異物と認識し免疫機能を発揮するもので、免疫とはその感染症にかかり難くなるということです。しかし、免疫というとすべての病気にかかり難くなることだと誤解している人が多くいます。

感染症は症状と免疫が相反する

 新型コロナウイルスや細菌などの病原体に感染していても症状の出ない人のことを、不顕性(ふけんせい)感染者と言います。感染して症状が出ると発症者になります。発症者には軽症者と重症者がいます。

 自然免疫と獲得免疫は強調し合っており、自然免疫が強くなることによって獲得免疫も強くなります。

 不顕性感染者より発症者、発症者でも軽症者より重症者と、症状が強くなればなるほど自然免疫と獲得免疫は強くなり、治癒後に再度ウイルスに感染しても発症しにくくなります。この相反する現象が感染症の対策の難しさでもあります。

「新型コロナとがん」三好基晴著 より

  免疫について少しお分かりいただけましたでしょうか?
  細胞の細かいことになって来ると、結構難しいですね。

  次はウイルスが細胞の中に入っていくシステムです。上の画像を参考にしてください。 

人がウイルスを引き込む

 新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどの風邪様の病原性ウイルスは、人の細胞に侵入し増殖します。ウイルスが細胞を破壊したり、ウイルスが増殖した細胞を免疫細胞が処理したりして炎症が起きます。

 そのため、ウイルスが人の細胞を攻撃しているかのように見えますが、人がウイルスを引き込んでいるとも言えるようなことがあります。

 ウイルスは人の鼻や喉の粘膜細胞に侵入するには、まずウイルスの突起と粘膜細胞表面の膜にあるACE受容体が、カギ穴になります。多くの臓器の細胞にあるACE受容体は、ホルモン作用などに関わっています。

 ウイルスとACE受容体が結合すると、細胞のTMPRSS2という酵素がウイルスを細胞内に引き込みます。細胞内に侵入したウイルスは人の遺伝子を利用して増殖します。増殖したウイルスをこの酵素が、細胞の外へ排出できるようにします。

 人の細胞にとってウイルスが敵対する存在であれば、酵素を持たずウイルスが結合できたり引き込んだり排出できないようになっていてもおかしくありません。

 にもかかわらず、酵素を持っているということは何らかの意味があり、引き込んでいるとも考えられます。

 また、人の細胞の表面の膜に存在するACE受容体とぴったり結合する突起を、ウイルスが持っていることも不思議です。

 人のDNAにはウイルス由来のものが約50%も存在しており、人の胎盤形成や脳の機能や筋肉の発生などに関わっていることが明らかになってきました。

 ウイルスは人に病気を起こすだけではありません。人はウイルスの助けで生存しているのです。人類とウイルスとは、人知を超えた深いつながりがあるのではないかと思われます。

「新型コロナとがん」三好基晴著 より

 人のDNAはウイルス由来のものが半分もあるとは驚きですね。人はウイルスを引き込んで進化してきていると言えるのでしょうネ。新型コロナウイルスはどんな働きをしようとしているのでしょう?

 「新型コロナとがん」からは一部しか紹介させてもらっていませんが。岡田茂吉教祖の御教えを医学的に裏付けできる内容も多く、これからもみ教えと並行してHPで時々引用させてもらいたいと考えています。
 三好先生には、快く書籍からの引用を承諾いただいたことに心から感謝申し上げます。

        八尾屋

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