農業にとって、害虫はずっと大きな悩みです。しかし、なぜ害虫は出てくるのでしょうか。そして、農薬を使っても使っても、なぜなくならないのでしょうか。
日本の思想家・岡田茂吉(1882〜1955)は、この問いに対してひとつの明確な答えを持っていました。
害虫が出る本当の理由
岡田によれば、害虫が発生する根本的な原因は「土の汚れ」にあります。
肥料を使うと、土壌の性質が変わります。変質した土は腐敗しやすくなり、そこに虫や細菌が発生します。これは自然界の基本的なしくみで、肥料溜めに蛆が湧くことと同じ原理です。
また、肥料の種類によって発生する害虫の種類も変わります。新しい化学肥料が登場すると、見たことのない新しい害虫が現れるのも、このためだと岡田は考えました。
農薬がもたらす悪循環
害虫を駆除するために農薬を使うと、どうなるでしょうか。
農薬は強力な毒です。虫を殺すほどの毒が土に染み込めば、土そのものも毒にやられてしまいます。弱った土からは抵抗力の弱い作物しか育ちません。弱い作物にはまた害虫が集まります。
こうして「農薬をまく→土が弱る→害虫が増える→また農薬をまく」という悪循環が続きます。岡田はこれを「鼬鼠ごっこ」と表現しました。
食べ物と体への影響
岡田の考えは農業だけにとどまりません。化学肥料を吸収した作物を毎日食べ続けることで、少しずつ血液が汚れていく、と岡田は主張しました。
血液が汚れると、細菌に対する体の抵抗力が落ちます。感染症が流行したとき、発病する人としない人がいるのは、この血液の清濁によるものだと岡田は考えました。
自然農法という答え
岡田の出した答えは、肥料も農薬も使わないことでした。土本来の力を引き出し、清浄な環境で作物を育てる。それが彼の「自然農法」の根本にある考え方です。
岡田茂吉とは?
岡田茂吉(1882〜1955)は、人間の健康と大地の健康は深くつながっていると信じた、日本の思想家・宗教家です。自然農法はその信念の一つの表れであり、公に発表する前に十数年にわたって実践・検証を重ねたものでした。
原文を読む
この記事はごく短い紹介です。1951年に岡田自身が日本語で書いた原文は、meshiya.jpで読むことができます。

