自観叢書第二篇 『無肥料栽培法』 「序文」(自観叢書二 昭和二十四年七月一日)

 私によって提唱された無肥料栽培の理論ほど、読む者をして其あまりに異説に唖然とし、到底信じられないといふのが一般の観方である。事ほど左様に、農作物ばかりではない、人間自体が肥料中毒に罹ってしまってゐるのである。

   然し、私の唱える説であるが為、相当の信用を払ふ人も多くあるにはあるが、それでも最初は恐る恐る実行してみるといふのが例外なく報告書に表はれてゐる。処が収穫直前になると俄然として様相が変り、予想外の好成績を挙げるのである。

  百の理論よりも一の事実に如(シ)かずといふ事は、今更改めて言ふ要はないが、私は想ふ、此大発見の結果として日本農業は一大革命を惹起するのであるばかりか、何れは世界的農業革命にまで及ぶかもしれない。とすれば斯様(カヨウ)な偉大な人類救済は空前の一大福音であると共に、地上天国樹立を目標とする本教として当然過ぎる事であらう。

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