今日本は、年々二千万石の米が不足しているという事であるが、しかし吾々からみれば、全然間違った農耕法をしている事である。従って私の発見による自然農法を、五カ年間続けて実行するとすれば、五割増産は間違いない事実である。即ち本年の収穫高六千四百万石とみて、其五割増産は九千六百万石となるから、全日本人が充分食ってもまだ余る位である。しかも肥料は堆肥のみで、人肥金肥は使わなくてもよいのである。それで虫害も風水害も、今迄よりも何分の一に減るのだから、何と驚くべき福音ではなかろうか。処がこんな素晴しい農耕法を、凡(あら)ゆる方法で知らしているが、信じて行っている人は、ドシドシ増産に恵まれると共に、実行者も非常な勢いで増えつつあるにはあるが、此際大いに馬力をかけて知らせなければ、日本は救われない事になろう。
処が日本人の悪い癖は、どんな立派な発見でも、お膝元のそれは、仲々信用しようとしない欠点である、そこで幸いにも今度御馴染の松井誠勲氏が、諸外国の農業に就て調べた処、意外にも各国の学者も、実際家も、私の説を裏書している事実が分かった ので、これこそ日本人を信じさせるには最も好適の書と思うので、敢て此小冊子を勧める所以である。 （岡田自観）
世界救世教々義 （地上天国と自然栽培の巻） 序文 昭和26年10月10日
