*贋観音 (御垂示録3号 昭和26年10月8日⑤)

《お伺い》病気になり、何処かに見て貰いに行った時、観音さんが何処かに置いてあるから、それを探せば、あなたの頭の病気は治ると言われ「アマ」を探がして見た処が。

《御垂示》「アマ」とは何ですか。

《お伺い》農家で、二階を「アマ」と言い、薪を上げたりしております。それを御神体としてお祀りしてより神憑りとなり、南無観世音菩薩と言って、数珠で患部を痛む迄こすって、膿を出さなかったら、絶対に病気は治らないと言って、やり始めたのが流行っております。

《御垂示》それは、少し怪(あや)しい観音さんだな。手でこすって膿を出すと言うのは、そのお神さんでなくても、普通痛い迄にこすれば出ますからね。

《お伺い》信者の兄が一昨年から精神病になり、浄霊を続けておりましたが、大きな御浄化で床に就き、満足に喋る事ができず、笑ったりするだけで、はかばかしくいかないので、頼みに行った処、これは十日で喋る様になり、二十日で歩く様にしてやると言ったそうですが、左の肩を一生懸命にこすって膿を出し、十日目に喋りましたが、また元通りになり、二十日目にも歩かなかったそうです。その様な、観音さんと称しているのは何で御座いましょうか。

《御垂示》それは贋(にせ)観音です。狐が化けてやっているんです。

《お伺い》親戚で良くなったと言うので御座いますが。

《御垂示》軽いものは良くなります。狐の力に合うものは治ります。だから相当に繁昌します。しかし、自分より上の霊とか、自分の力では追っつかない相手では駄目です。

《お伺い》また浄霊を頂きたいと言うので御座いますが。

《御垂示》やってやると良い。

《お伺い》そう言う霊媒的素質の人は日本に多い様で、外国に発表される様な優秀な霊媒はない様で御座いますが。

《御垂示》そうではない。ありますが、外国は学問的に――科学的にやるから割合立派なんですが、日本は直ぐ野心を持って、爾光尊とか踊る宗教とか――やるから駄目なんです。日本の社会が――日本人が低級な為でしょうね。ちょっとした御利益に夢中になって、狐に瞞され易いのですね。教育の程度が、外国は科学的で正確でないと、信用しないから、学問的になってそうなるんです。

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