巻頭言(地上天国25号 昭和26年6月25日)

 我救世教は、病気治し専門のように思われているが、一般はただ病気とさえ言えば、肉体のみの悩みと思っているが、この観方みかたは実は違ってはいないが、まことに小さい観方である。もしそれだけとしたら、本教の病気治しは進歩した医学でしかない事になるが、之だけでは本教に対する全体的観方ではない。一部分の観方である。

 ひるがえってよく考えて見て貰いたい事は、地球のありと凡ゆるものの現在の姿である。言う迄もなく、その殆んどが不合理極まるものであり、本当のものは絶無ではない迄も、寥々たる有様で、それが為人類の悩みは、何時になったら解決できるか見当けんとうさえつかないのである。これを一言にしていえば、世界全体が病気に罹っており、一つ一つの国もそれと同様である。なるほど広い世界といえども、根本は個人個人の集りで成っている以上、よく考えてみれば個人の病気が国に映り、それがまた世界に映るのであるから、世界が病体となっている訳である。としたら、その逆に考えてみたらぐ分る。即ち個人が健全になれば国家が健全になり、国家が健全になれば世界が健全となるのであるから、この理を充分知ったなら、本教のモットーである地上天国を造るには、之より外に方法のない事が分るであろう。この理によって個人個人の病気を治すだけで、その大目的は達成せられるのである。

 従って本教の批判者は、以上の道理を頭に入れて、冷静に観て貰いたいのである。

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