*善と悪(御垂示録4号 昭和26年11月8日②)

《お伺い》本日の「善と悪」の御論文で、自己保存の為の本能は与えられますが、逸脱しただけは。

《御垂示》逸脱と言うのは。

《お伺い》まもると言う様な。

《御垂示》護ると言うのがおかしい。と言うのは、保存じゃありません。進歩です。競争がなければ進歩――しないんです。

《お伺い》自己なり、団体に許される。

《御垂示》いや、許されるじゃなくて、必要がないんです。一つの――固まりがあるから――泥棒があるから――護るので、泥棒がなければ開けっ放しで良い。

《お伺い》悪はそう言う所から生まれて来たので。

《御垂示》生まれて来たのではなく、神様が――必要があるからつくったんですよ。仮に、地球が未だ固まらない時分にはマンモスとか、色んな龍神を――暴れさせて固めたでしょう。そういったものが今あったら大変ですからね。こんな家なんか、ぶっつぶされちゃう。しかし、それは必要だからあった。悪と言うのは、人間の形をした動物です。処が、動物の形をした人間はもう要らなくなった。だから、家畜の様な大人しいものは残して、虎や狼は段々減っていく。うわばみなんかなくなって来る。昔、俵藤太秀郷たわらのとうたひでさとが松の木と間違えた位だからね。しかし、人間の形をした動物はなくなるんです。

《お伺い》人間に必要だったので。

《御垂示》神様がつくったんだからね。だから、必要と言うのもおかしい位なものです。副守護神と言うのは、そう言う役をしていたんです。獣ですからね。そしてまた、人間は堕落すれば獣になると言うでしょう。獣と言っても、家畜じゃない。獰猛どうもうなものです。今、殆んど獣で――ただやり方が小慧こざかしくなっただけですね。

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