岡田茂吉 米国に於ける病気状況  米国駐在信者 立松 文治(『アメリカを救う』 昭和28年1月1日発行) | 岡田茂吉を学ぶ

米国に於ける病気状況  米国駐在信者 立松 文治(『アメリカを救う』 昭和28年1月1日発行)

 全土を通じて、よく設備の行届いた六千四百三十の病院と、百四十五万六千九百十二のベッドを有し(以上1950年現在)、日々の新聞に、医学上のいずれかの分野における新学説、新療法、新薬、等々の発表、報告等を見ない日はほとんど無く、衛生思想は驚くべく普及し、食器類の熱湯消毒、病菌の媒介と見らるる蝿、蚊等の駆除、予防注射、伝染病患者の隔離等々が、莫大な予算の裏付によって、ほとんど完璧に近きまでに実施せられつつある、米国における病気の状態は、果して如何?

 霊界の漸進的転換、火素の増量、浄化力の強化、という一連の現象は、この医学王国にいかなる形で現われているであろうか? 次に簡単な一瞥を試みて見よう。

 マラリヤ、十二指腸虫病、トラホーム、チフス、コレラ、天然痘、黄熱、ペスト等々、いわゆる集団病と称せられる病気は、確かに医学の発達に比例して、米国を始めとする文明諸国から姿を消しつつある。と同時に、文明社会に固有の「贅沢病」ないし「文明病」の患者は、アメリカにおいてすら多数存し、むしろ年々その数を増しつつある事、彼らの自負する医学を嘲笑うがごとくである。現代医学は急性の集団病を慢性の文明病と置き代えた、と言っても過言ではないようだ。

 例えば癌である。現在米国には七十万人余の癌患者がいるが、これは死亡者数、罹病者数、共に年々増加の一途をたどっている。死亡者数を見ると、千九百年には十万人につき六十四人であり、死亡率の順位として第八位に位していたのが、年毎に漸増して、1948年には百三十六人となり、心臓病についで第二位を占めるに至った。

 即ち1900年には、癌による死亡は四万一千人であったのが、1948年には十九万七百四十二人、更に昨1951年には二十一万五千人が癌でたおれて、アメリカ建国以来の新記録を画した。現在米国癌協会(The American Cancer Society)は、種々の癌対策に腐心している。癌の早期発見と、責任ある医師による早期治療(主としてラジウム光線、Ⅹ線、摘出手術)とを、パンフレット、新聞、ラジオ、公開講演等々によって、奨励、宣伝にこれ努めている。日々の新聞を見てもアメリカ人は癌恐怖症に取りつかれているという印象を受ける。

 次に結核であるが、これによる死亡率は確かに年々減少しつつある。1900年には十万人につき百九十四人で、第一位の死亡数を示していたが、1948年には三十人となって、第七位に下った。「しかし、1951年においては、それに先立ついかなる年よりも結核患者数は多い」(聖ヨゼフ・カウンティ結核連盟、St. Joseph County Tuberculosis League)。死亡者数の減少と、罹病者数の増加という皮肉な現象は、固め療法としての医学の発達と、浄化力の強化という、二つの相矛盾する事象の相剋がもたらす当然の一結果と言えよう。医療による浄化停止は、ベッドに常住する気の毒な社会的廃人を益々製造するに役立つ許りであるようだ 死亡率減少しつつありとは言え、1948年における結核死亡者数は、四万三千八百三十三名に上っている。これは一日二百二十人、十二分毎に一人の死亡という割合であり、他の全伝染病による死亡者数の総計を上回っている。

 因みに、全世界における結核による死亡者数は、年平均三百万人から五百万人に上るというから恐しいことである。現在米国で結核患者と銘打たれている人々は、五十万人(主として十四歳から三十五歳まで)即ち、二百二十五人の成人に一人の割合である 米国の社会にとっての大きな脅威の一つに精神病がある。精神分裂症を始めとする精神病者の数は、実に九百万人というおびただしい数を示している。そして精神病国民協会(National Association for Mental Health)は「今年米国で生まれた子供の内十二人に一人は、その生涯のいずれかの時期に、精神病院に入院せねばならぬであろう」と報告している。

 罹病者の多い事で、精神病に次いでいるのは、四肢の諸関節の激痛、発熱、腫脹、硬化等々の症状を現わす関節炎(Arthritis)であろう。患者数は全米を通じて七百万人から八百万人に上り、毎年約十四万七千人の新患者が出ている。人類史上最も古いこの病気は、又最も多く謎に包まれた病気とされている。

 いわゆる心臓病による死亡者は、年々手の施しようもなく増えつつある。五十年前の1900年には十万人につき百三十七人で、死亡率の順位では第四位であったのが、1948年には第一位を占め、三百二十三人となり、更に1950年には三百五十四・四人で、実数にして五十三万五千九百二十人がこの病気でたおれている。心臓病罹病者数は実に三百七十万人と言われる。

 次にいわゆる慢性頭痛持が米国に非常に多い事も注目に値しょう。クレアランス・ウッドベリイという医師は、アメリカン・マガジン誌の五月号でいわく「私は、約千二百万人のアメリカ人が、慢性の頭痛持である事を知って驚いた」と。

 典型的「贅沢病」と言われる小児麻痺は、患者数は詳かでないが、比較的文明高度なヨーロッパ諸国及び米国に最も多く見られるのみならず、主としてそれらの国々の富裕階級に多い。これら気の毒な小児麻痺患者のための活発な街頭募金運動は、米国でしばしば目撃されるところである。

 米国におけるその他の罹病者数は大体次の通りである。

 動脈硬化及び高血圧症が三百七十万人、喘息が三百五十万人、慢性気管支炎が百七十万人、腎臓炎ないし腎臓病が百五十五万人、脱腸が二百万人、痔が同じく二百万人、又少くとも九百万の人々が何らかの心臓及び血管の疾患で悩んでいると言われる。

 ニューヨーク医師会、医学情報部(Medical Information Bureau, New York Academy of Medicine)のイアゴウ・ゴールドストン博士(lago Gladstone, M.D.)によれば、「アメリカにおける慢性病問題は、口で言う事も、想像する事も出来ぬ程重大なものである」と。

 かくて、患者として医療を受くる者は年々増加し、1931年現在では七百十五万五千九百七十六名、1940年には千八万七千五百四十八名、1950年現在では、実に千七百二万三千五百十三名となっている。これはアメリカ全人口の一割以上である。医療を受けていない者も加えると、少くも米国全人口の六分の一に当る二千五百万人以上が、いわゆる慢性病の犠牲者であり、更に示唆に富んでいる事にはその半数以上が四十五歳以下の比較的若い人々である。

 米国全人口の大きな部分を占めるこれらの人々は、労働不能ないし労働力不足のため、社会から当然受くべき報酬は得られず、又社会に対して寄与するところもほとんどない。言わば、不幸な社会的徒食者の群である。

 再びイアゴウ・ゴールドストン博士の言葉を借りれば、「かかる現象は、現代医学の進歩に由因するのである。前にも述べたごとく、現代医学は死亡者数を大量に減らした代りに、罹病者数を大量に増やしたのである」そして、「健康と病というものの本体に関して、新なかつ最も妥当な再検討が加えられない限り、医学は治療の努力を続けつつ、益々深く迷路に迷い込み、病という、病者と社会と職業にとっての重荷に追付く事は永遠に出来ないであろう」。

  アメリカよ、アメリカよ
  神は汝に恵みを注ぎ給う

と歌われている、輝かしき機械文明と、キリスト教の国アメリカもまた病んでいる。増加しつつある二千万余の病者の呻吟を前に施す術なく、ただ唖然と拱手(きょうしゅ)するかに見ゆる現代医学が、神の大慈大悲の想念の具現である神霊医学の前に膝を屈すべき時が、いよいよ来たのではあるまいか?
                                            以 上
   昭和二十七年九月二十日

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