こんにちは、今回も「健康病」について『新型コロナとがん』の本から引用させてもらいます。
酢は飲むものではない
酢を飲んでも疲れは取れません。人間の疲労は医学的にも把握しにくいもので、血圧や体温のように数字で表せられないものです。
疲労には肉体的疲労と精神的疲労があり、その兼ね合いで疲労感を生じます。好きな趣味として、一日中ゴルフをして体力を使っても、さほど疲れは感じないでしょうが、嫌な仕事を残業でいやいや2〜3時間もやれば、体力は消耗しなくても非常に疲れを感じるでしょう。
このようにいろんな事に影響される疲労が、酢を飲んだだけで取れるはずがありません。酢に限らず食べたり飲んだりするだけで、すぐに疲労が取れるものはこの世の中にはありません。
<後略>
「新型コロナとがん」三好基晴著より
そういえば良く飲む酢が店頭に並んでいますね。健康に良いと話題にされているのでしょうね。
次は乳酸菌についてです。乳酸菌についてはよく取り上げられているので、効果の間違いをご存知の方も多いかと思います。
乳酸菌の裏側
乳酸菌飲料の乳酸菌が腸に健康効果があるかのように宣伝しています。しかし、飲食した乳酸菌は胃液の胃酸で死んでしまいます。
胃酸で死なず腸まで届く乳酸菌の入った食品やサプリメントがありますが、胃酸で死なず腸までたどり着いたとしても、元々その人の腸内にいる大腸菌などの定住菌の勢力が強いために飲食した乳酸菌は腸内で定住できず便とともにほとんどが排泄されてしまいます。
また、乳酸菌飲料は腸内の善玉菌を増やすとか、悪玉菌を減らすとか宣伝していますが腸内細菌に善玉も悪玉もありません。
食生活が良くなれば悪玉菌が働いてくれて体に良くない成分を分解したり早く排泄しようとしてくれているのです。悪玉菌というよりお掃除菌です。悪玉菌がなくなったら人間は死んでしまうでしょう。
善玉菌とか悪玉菌とか区別することがおかしいのであってどっちが多いかはその人の食生活の結果なのです。間違った食生活をしていて腸内細菌の善玉菌だけを増やそうとしてもそんなことはできません。
<後 略>
「新型コロナとがん」三好基晴著より
腸内フローラが知られるようになったのは結構最近の事だと思いますが、乳酸菌の有用性などはかなり昔からよく聞きます。厚生労働省のページには、”腸内には細菌がおよそ1000種類、100兆個も生息している・・・。”
そして善玉菌や悪玉菌のことが載っていました。”体の健康には、腸内にビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌を増やす・・・。”などなど
これは商用としては持って来いの内容だなと思いました。このような発表に基づいて、健康ブームが生まれていくのでしょうね。腸内フローラが知られる様になって、腸内環境の認識が一新されたように思っていたのですが、私の勘違いだったでしょうか・・・?。乳酸菌は胃で死んでしまう事は半世紀もたって結構知られるようになってきたと思います。しかし、まだまだ消費者が思い込まされている間違った健康情報は巷にあふれかえっているようです。クワバラ!クワバラ!。
サプリのビタミンCは体に吸収されにくい
野菜サラダを食べた場合と、ビタミンCのサプリメントを飲んだ場合とで、血液中に吸収されたビタミンCと尿中に排泄されたビタミンCの濃度の違いを比較した石神昭人氏(東邦大学薬学部准教授・当時)の研究があります。
ビタミンCが100mg含まれた野菜サラダを食べた場合、血液中に吸収されたビタミンCの濃度は、1時間後には食べる前の約2.5倍に、2時間後には約3倍に増えていました。そして、尿中に排泄されたビタミンCの濃度は、2時間後でも食べる前と比較してほとんど変わりませんでした。
一方、ビタミンCが100mg含まれたサプリメントを飲んだ場合、血液に吸収されたビタミンCの濃度は、1時間後はわずかに増えていましたが、2時間後はほとんど変わりませんでした、そして、尿中に排泄されたビタミンCの濃度は、2時間後には食べる前の約2倍に増えていました。
食べ物の中に含まれている自然ビタミンCも、食物から精製して抽出したビタミンCや遺伝子操作した細菌に作らせた発酵法による人工ビタミンCも、摂取すれば体内で同じように吸収されるかというと、そうではないのです。
自然ビタミンCは、有用で必要なものであると人間が本能的に判断し、血液中に吸収されやすく全身の細胞に使われやすく、排泄されにくいのでしょう。
他方、人工ビタミンCは、有害で不用なものであると体が本能的に判断して血液中に吸収されにくく、しかもわずかに吸収されたビタミンCもすぐに尿中に排泄されてしまうのでしょう。
「ビタミンCのサプリメントを飲めば、血液中のビタミンCの濃度が増えて全身の細胞に使われて体によい」と思い込んでいる人が多いようですが、人工ビタミンCのは飲んでもほとんど血液中に吸収されずにすぐに排泄されてしまうので、飲んだビタミンCの数%しか細胞が利用できていない事実を認識すべきです。
今後さらに研究が進めば、細胞内に取り込まれた自然ビタミンCと人工ビタミンCとでは働き具合の違いが分かり、自然ビタミンCは有用で、人工ビタミンCは有害なものであるということが分かってくるでしょう。
ビタミンC以外のビタミンやミネラル、アミノ酸なども、自然のものと人工のものとでは、同じような研究結果になる可能性があるでしょう。
また、飲んでもほとんど排泄されてしまうのなら副作用がないと思うかもしれませんが、腸から血液中に吸収されて腎臓に運ばれるまでの間に、血液中で何らかの有害性が生じるかもしれません。
さらに腎臓から高濃度で排泄されると、腎臓から尿道までの泌尿器管にも何らかの有害性が生じるかもしれません。
体内には、ビタミンCが約1500mg蓄えられています。これが300mg以下になると、ビタミンC欠乏症になって壊血病になることがあります。
壊血病は、歯ぐきや胃腸などの消化管の粘膜などから出血が起こる病気です。もしビタミンCを一切含まない食事をし続けても、体内のビタミンCが300mg以下になるには60日から90日もかかります。
「一食の食事で、カロリー、タンパク質、糖質、脂肪、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養成分をバランスよく摂取しなければいけない」と言われていますが、一食で特定の栄養成分が不足していたとしても、数日単位でバランスがとれていればまったく問題はありません。
健康な人であれば、和食を中心とした常識的な食生活をしていれば、ビタミン、ミネラル不足など栄養不良となることはまずありません。しかし、ダイエットなどで偏った食生活をしていると、ビタミン不足など栄養不良となることがあります。
そのとき、健康食品やサプリメントで補おうとしてもムダであり、食生活を改善しなければ問題は解決しません。
新型コロナとがん」三好基晴著より
健康は健全な食生活が基本ですね。
次回は「健康イメージの健康病」です。