此事実を何とみる(光11号 昭和24年5月31日)再掲

 本教においては『光』新聞及び雑誌『地上天国』に毎号出来るだけのおかげ話を満載している、勿論これは、事実ありのまま書くように厳重に注意を与えている以上いささかの誇張もない事は言う迄もない。此おかげばなしの感謝、感激の報告は日に月に漸増しつつあり、最近は一ヶ月数百通にも及び、全部の掲載は困難になったので、目下方法を講じている実状であるにみて、如何に救われる人の殖えつつあるかが知らるるのである。読者も見らるる通りその感謝に溢るる文章を見ては眼頭が熱くなり、滲み出る涙を幾度拭うか分からない程である。然しこれは感情に関してであるが、重大である事は驚く事はあらゆる病気に対する治病成績で、これに就て種々の角度から検討してみようと思うのである。

 総ての実例にしるし、正直に言えば、医療其他現在行われつつある凡ゆる療法に大雑把ではあるが、大体三分の二は効果なしという事、三分の一は反って悪化したという事実であるが、之程は大問題である。此報告を見た専門家は勿論の事、一般人に於てもあまりの意外に撞着しない者は一人もあるまい。

 今日全世界の文化民族といわれるその悉くは、現代医学の進歩を信じ、これに生命を託すことを以て何らの疑念もなく、正当の方法と心得、それが殆んど常識となっている事である。然るに、私は既成医学を是正せんとして十数年以前から、此事を徹底的に世に知らしめ、人類最大の悩みである病苦を除去せんとして三種の著書を著わしたが三種とも発禁となったので諦めたのである。今はそうでもないが、その頃は医学の医の字を言う事すら許されない、例えば患者に対し医療でなくも、私の方で治るといったその言葉だけで医師法違反に問われ、私は三日間留置場に容れられた事もあり、又パンフレットに、現代医学が行う手術は病気の患部を除去する方法として肉を切り血液を消耗し、病苦を与える以上野蛮的方法であるに比し、吾等の療法は些かの苦痛も与えず、肉体を傷つける事なくして、如何に深部の病根をも除去し得ると言う事を書いた為忌諱に触れ、警察へ召喚され、永々と御説教の末、罰金を取られた事さえあった位であるから、その他は推して知るべきである。斯様な時代であった為、止むを得ず一切沈黙を守り、ただ事実によって天下に示すより外に方法がなかったのである。

そんなわけで宗教になった今日といえども沈黙的救済を続けてはきたものの処が最早沈黙を破るべき時期となったので此著によって世に公にする事となったのである。

 事実、現在の世界人類の苦悩は最早や打切られなければならない時期が来たのである。勿論苦悩の根本は人間の病患にある事は、私が常に繰返し言う処であって、人間が霊肉共に健康になったとしたら、他の凡ゆる苦難の大半は解消する事は火を見るよりも瞭かである。その暁こそ、吾等の目標たる地上天国の出現でなくて何であろう。

 キリストの唱えた、「天国は近づけり」、の一大予言も、釈尊が唱えられた弥勒の世も此事に外ならないのである。私は医学者でもなく、医学を学んだ事もないに係わらず、病気に関する一切は神示によって根本的に知り得たのである、それによれば現代医学が如何に邪道に陥っているかが洵に明かである以上、その事の是正こそ人類救済の第一義でなくてはならない、この意味に於いて私というものは病無き世界を造るべき大使命の実行者として神から選ばれた者である以上、その力を十分発揮し、地上天国建設の大理想を実現せんとするのである。

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