[日々雑感] 三好ドクターが語る栄養成分の「健康病」玄米、発芽玄米、粒食文化(その3) 

玄米

玄米の問題点

 玄米は食物繊維が多いから便通が良くなってダイエットや美容によい、玄米は有害物質を排泄する排毒作用があるので体によい、とか言われています。乱れた食生活をしていて肥満になった人で、玄米食を始めて体重が減り、体調もよくなったという人がいます。

 しかし、その食事内容を聞いてみると、改善したのは白米を玄米にしただけではなく、多過ぎた肉食を少なくし野菜を多くしたり、ご飯を食べられないほどたくさん食べていた菓子類やジャンクフードなどを減らしたり、米以外にもいろいろな改善をしたケースがほとんどです。

 以前の食生活を改善せず、白米を玄米にかえていただけでは減量効果はなかったでしょう。このような食生活改善をしていれば、玄米ではなく七分づき米かあるいは白米でも同じような減量効果が得られたかもしれません。

 また、玄米に有害物質を排泄する作用があるのであれば、有害物質だけを選択的に排泄することはできず、同時に人体に有用であるミネラルやビタミンなどの栄養成分も、一緒に排泄してしまうことになります。有害物質だけ排泄し有効成分は排泄しない、などと都合のよいことにはなりません。

 つまり、玄米に含まれている栄養成分はもちろん、一緒に摂った食べ物の栄養成分も排泄しやすいということです。玄米食でダイエットできたとしても、大切な栄養成分を摂り損ねているかもしれません。

 玄米と白米そのものを比較すると、玄米の方がビタミンやミネラルなどの栄養成分は多く含まれています。しかし、玄米を食べた時と白米を食べた時とでは、玄米を食べた時の方が栄養成分の吸収は少ないことがあります。

 カルシュウムを例にとってみると、玄米は白米に比べ2倍以上ものカルシウムを含んでいます。しかし、玄米食と白米食では玄米食の方が、食べた米のカルシウムを便として排泄しやすいので、血中への吸収率は悪いのです。

 カルシウム以外の栄養成分や人体に重要な未解明の栄養成分も、同じように吸収率が低下することがあります。

 玄米に限らず食べ物そのものの栄養成分が多いからといって、食べた時も吸収が多いとは言えないのです。

「新型コロナとがん」三好基晴著より

玄米は美味しくない

 玄米の糠の一番外側の果皮はロウの成分で出来ています。ロウソクのようなワックスの成分です。玄米の表面に光沢があるのは、このロウの成分のためです。 

 ロウは水をはじく性質がありますから普通の炊飯器では炊けず、圧力鍋でないと炊けないのです。

ロウがあるため消化器官の消化酵素が米の内部まで浸透し難く、デンプンやタンパク質を糖やアミノ酸に十分に分解できず吸収し難くなるため、栄養成分の吸収率が低下すると考えられます。

 このロウの成分の果皮を取り除くには、五分づきか七分づきにするとよいでしょう。玄米の下ごしらえや炊き方を工夫しても消化吸収の不良には変わりはないでしょう。

 また、医学的に解明されたことではありませんが、栄養成分の吸収する小腸の絨毛(じゅうもう)の間にロウの成分が付着し、栄養成分を吸収を阻害することが考えられます。絨毛と絨毛の間からは消化酵素が分泌されますから、消化酵素が不足し消化不良になるかもしれません。

 むやみに「玄米はダイエットによい」とか「体によい」と信じこまないで、その論理をよく考えれば、おのずと何がよい食べ方かが分かるでしょう。

 玄米を食べている人に理由を聞くと、玄米は白米より栄養成分が多いから、と言う人がいますが、白米食より玄米食の方が栄養成分の吸収は良くないという事を知ってもらいたいのです。

 玄米は栄養成分の吸収が良くないからという理由で問題にしているのではありません。美味しさのことを言いたいのです。玄米より七分づき米や白米を食べた方が美味しいと思うからです。

 また、玄米の方が美味しいからと言う人がいますが、玄米の問題点を指摘すると、問題点が分かると玄米は美味しくなくなった、ということもあります。間違った考え方が味覚をも狂わせていたのでしょう。

「新型コロナとがん」三好基晴著より

 玄米が体に良いと思って、あまり美味しくはないと思うのですが、がんばって食べていらっしゃる方は多いですね。岡田茂吉教祖の御教えにも、玄米は胃を傷つけるから七分や五分づきがよいとあります。ご一考願いたいものです。さて、次は発芽玄米についてです。

発芽玄米の問題点

 また、発芽玄米が安易にダイエットや体によいと言われています。しかし、発芽すれば発芽部分にアミノ酸などの栄養成分は増加しますが、同時にジベレリンなどの有害物質も作ります。ジベレリンは植物にとっては必要なものでも、人間とっては有害な物質です。

 発芽時の種子の植物生理学を調べると、発芽部分にジベレリンが生成し増加して、発芽作用を促進しています。ジベレリンは種なしブドウを作るために必要なホルモン剤で、農薬に登録されています。鳥は発芽した大豆を食べないことがあるようですが、動物の本能かもしれません。

 ジベレリンが多い発芽玄米を食べたとき、どのような有害性を示すかは未知数です。植物の生理機構は、まだまだ分からないことがたくさんあります。今後の研究でジベレリン以外に発芽玄米の有害成分が明らかになるかもしれません。

「新型コロナとがん」三好基晴著より

 発芽玄米も使っている人多いですね。普通の七分づきで十分じゃないでしょうか・・・。

粒食文化と粉食文化

 日本など東洋では米が主食で、ヨーロッパなど西洋では小麦が主食です。米は粒食で小麦は粉食です。

玄米の糠の一番外側は果皮でロウの成分なので、水が浸透し難いのです。そのため、米を栽培し始めた頃から、玄米を物理的に搗いたり擦り合わせて糠をある程度取り除き炊いてご飯にし食べていたと思われます。圧力鍋であれば高圧で水を浸透し、玄米のまま炊くことができます。

 小麦の外皮のふすまは厚く強靭ではがれ難いので、米のように水に浸して炊いて食べることは難しく、粒のまま砕いて全粒粉にし麺やパンにして食べていました。現在では機械で全粒粉から外皮のふすまをほとんど取り除いて一等粉にできますが、昔は多少外皮のふすまを物理的に取り除けたかもしれませんが、全粒粉に近かったでしょう。

 日本人が全粒粉のパンやパスタを食べるとぱさついて食べ難いですが、西洋人は食べ難くないようです。なぜなら日本人より、西洋人の方が唾液の分泌量が多いからです。西洋人は長年全粒粉の粉食文化であったため必然的に唾液の分泌量を多くして食べやすくなっていったのでしょう。

 日本人は唾液の分泌量が少なくても食べやすい粒食文化が適していますから、含まれている栄養成分の量だけに目を向けて無理に玄米や全粒粉のパンやパスタを食べる必要はないでしょう。

 また、パンや、パスタは小麦のタンパク質のグルテンの粘りを活用した食べ物です。小麦は粒のままではグルテンを形成しませんが、粉にすることによって水を加えてグルテンを形成します。粉食にすることによって小麦の特性が生かせるのです。

「新型コロナとがん」三好基晴著より

 上記は本から引用させてもらいましたが、オンライン講座ではもう少し簡単ですが、本にはない話もありました。グルテンフリーについても、私は詳しく知らないのですが小麦粉が良くないというように言われていることについてだと思います。もし、それが本当だったら、西洋人は絶滅しているのではとおっしゃっていたと思います。

 最後に岡田茂吉教祖のお米についての御教えを添付します。興味深い内容の御教えですが一部だけ添付します。昭和11年の講義録です。このすぐ後、不穏な社会情勢の中での弾圧から、立教後次々だされた御教えがお蔵入りとなってしまいました。人類にとって大変な損失だったと思います。

  又米は七分搗(づ)きが一番良い。胚芽米よりも七分搗きの方が良い。総て物は、中庸が一番良いので、玄米は原始的過ぎ、白米は精製し過ぎる。大体五分搗が良いのですが、祖先以来白米を食い慣れているから、白米に近い七分搗き位がちょうどよい訳であります。

  どういう物を余計食い、どういう物を少く食うのが良いかというと、甘い辛いのない物を余計食うのが原則であります。それで米や水のごときものを一番余計に食うように自然になっているので、中位の味は中位に食い、酸い物、辛い物、甘い物等の極端な味の物は少く食うのが本当であります。病人などによく刺戟性の辛い物を禁じますが、吾々の解釈は異っている。必要がある為に辛い物も神様が造られてあるのであります。香味、辛味は非常に食欲を増進させる効果があるので、病人といえども少し宛(ずつ)食うのが本当であります。

栄養食に就て『岡田先生療病術講義録」上巻(四)昭和11(1936)年7月

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