岡田茂吉 日本医術に依る健康法の提唱(三) (東方の光七号 昭和十年八月十六日) | 岡田茂吉を学ぶ

日本医術に依る健康法の提唱(三) (東方の光七号 昭和十年八月十六日)

  是(これ)から説く栄養食は日本人を基礎としたものである。今、人間の食物を二大別すると植物性食餌と動物性食餌とである。今此植物性食餌から説いてみる。

肉体の血になり、肉になる栄養素は、植物性食餌即ち穀類野菜であって、単に肉体を養う丈(だ)けの意味から言えば、植物性食餌のみで充分なのである。然(しか)し人間は、社会生活の必要上、唯生きる以外智慧元気発展向上心、凡ゆる欲望それらがなくてはならない、そういう意志想念を湧出するに力あるのが、動物性食餌の役目である。故に都会生活者はその必要から動物性食餌を多く摂るという事は、実に、自然によく出来ているのである。であるから、一度病気に侵された時は、野菜食を多く摂るのが合理的である。病気に罹れば、智慧を揮い元気や欲望の必要がないので、反って病気の為めの熱や苦痛の、肉体的養素が、衰弱消耗するを以て、それを補給する必要上、野菜食に限ると言ってもいいのである。

魚は陽であり、野菜は陰で、鳥は陽であり、魚は陰である。是等をよく考えて、其人々の生活に当はめてゆけば間違いないのである。男子は外へ出て、智慧や元気を揮うのであるから、動物性食餌と植物性食餌と半々位がよく、婦人は内に居て体的活動が多いのであるから、植物性七分、動物性三分位が最もいいのである。近来、上流婦人にヒステリーが多くなったのは動物性を多く摂り過ぎる為めなのである。

然るに病気に罹るや反って平常よりも肉食を多く摂らせるのは、病気に依る肉体消耗へ拍車をかける様なもので、大に謬(あやま)っているのである。

天地間、森羅万象凡ゆる物の生成化有は陰陽の理に外れるものはない。昼と夜、夏と冬、天と地、火と水、男と女という様な訳であって、食物にも又陰陽があるのである。

穀類で言えば、米は陽にして、麦は陰である。人種から言えば、日本人は陽で、西洋人は陰である。日本人が米を食い西洋人が麦を食うのは此理によるのである。故に日本人は米を主食とするのが本当であるから、もし止むを得ざる時は、米より麦の方を少く食えば差支えないが、麦の方を多くするという事は不可である。−−又、植物性食餌を陰陽に分ければ、穀類が陰で、野菜類が陽である。野菜の中にも陰陽があって、根とか実とか、白色、赤色、黒色とか言うものは陽であり、菜の類、葉の類、すべて、青色の物は陰である。大根の白い根が陽であり青い葉が陰である。故に理想から言えば、その時と場合に応じて陰陽を、按配(あんばい)よく摂取するのが理想的である。

タイトルとURLをコピーしました