位牌や墓石に祖霊は居るのか?
“祖霊は常に位牌や墓石に居るのでせうか。
“位牌には始終留守居がゐて、それが戒名の所に憑依してます。人が拝むと多くの祖霊は集って来るのです。又臨時に拝む時は留守居がそれを受けます。又何か御供へして鐘を叩くと運ぶ役目の霊が出て来てその物の霊気を祖霊の所へ持って行って配るのですが、普通地獄から出世した霊が運搬の役目をやり、それが済むと八衢(ヤチマタ)へ行くのです。
“祖霊が地獄にある時は運搬夫の方が上になるのでせうか?
“えゝ、運搬夫の方が上です。そして大抵祖霊は地獄へ墜ちてゐる方が多いんですよ。――それから墓石の方には普段は霊は居なくて御詣りに行った時に出て来るのですが、彼岸等の場合はずっとその間中来てゐて名前の所に憑いてゐます。
御光話録4号 昭和二十四年二月八日
御光話録5号 昭和二十四年三月八日 (彼岸とお盆)
“御彼岸、御盆の霊的意味に就て御伺ひ申し上げます。
“彼岸の時は太陽が冬至と夏至の真中を廻る時で、丁度いゝ時なんですね。で、この丁度いゝといふ事が天国、極楽になるのです。つまり理想世界の事ですね。彼方の岸といふのは「理想郷」の意味でせうね。で、その時御墓参りをするといふ事で、別にはっきりした意味はないのですが、まあ丁度いゝ時に先祖を祀るといふ訳で之は理窟なしにいゝ事ですね。御盆の方は、地獄にゐる霊が始終苦しんでゐて可哀想だから一
年に一度帰らせるのです。彼岸も御盆も釈迦が作ったのでせう。
“地獄の霊だけでせうか?
“地獄以外の霊は何時でも帰れるから、御盆は主として地獄の霊を慰めてやるんです。この時だけは思い切って沢山御馳走を喰べられるのであって、迎火をたくのも霊が来る目印のためです。
“彼岸以外に新に仏壇を買求めると、新しい仏が出来るからいけないと申しますが如何でせうか。
“こんな事はありませんよ。それから寺や墓を立派にする事もいけないと言ひますがそれもありません。最近、私は或寺の再興のため寄進しました。もう直きに出来上る筈ですが、別に私はあの世の仕度をしてる訳ではないんです。(笑声)
(講話集 2318)
御光話録12号 昭和二十四年六月三日 ( 先祖を御祀りする日)
“先祖の御祀りの場合、又は新たに位牌を作って御祀りする場合、命日以外の日でも差支へないでせうか、又新規に仏壇を誂へて御祀りする場合は如何でせうか。
“之は命日がいゝですね。古い、判った先祖の命日がいゝですよ。あとは御彼岸がいゝ。そのどっちかですね。
(講話集 2429 )