吾々が生を保ち、呼吸しつつある処のこの世界は物質界であり、第一世界であるが、人の死するや、霊界なる未知の世界ーーー即ち第二世界の人間となるのである。この未知の世界は眼に見えず捕捉する能(あた)わず、無と何等異らざる世界なるが故に、一片の説明や文字の羅列等では到底信じ得られない事である。しかるに実は霊界は真の無に非ずして確固たる実在である以上、何等かの形式によって現象に表われなくてはならないはずである。否人事百般古今東西到る処に、大中小、微に入り細に渉って表現されているが、ただそれが人間に感受され得ないというだけである。この事は既成文化の教育が、霊に対しあまりに無関心であったが為で、それは夜の世界であったからである。何となれば夜の暗さは漸(ようや)く月光に映し出され得る程度に過ぎないが、昼間の太陽の光は全般的に、瞬間的に一切が明々白々に知り得るからである。しかるに、逾(いよい)よ近き将来においては未知の世界は有知の世界となり、月光世界は太陽世界即ち大光明世界となるのである。その結果一切の秘密も偽りも誤謬も、白日下に暴露されるのである。この意味においてまず私によって既存医学の誤謬発見となったのである。