御教え *『農業特集号』(御教え集6号昭和27年1月15日②)

【御教え】今度、『農業特集号』を――この次か、その次あたりの『栄光』の号に発行するつもりですがね。そうして大々的に宣伝しょうと思っている。第三者でも解る様に書いたつもりですがね。実際、今の肺病製造と同じ様に、糞や硫安をかけて、わざわざできなくしたんですからね。実に――野蕃人を教育するより、もっと骨が折れます。野蕃人は、最初から解らないんだからやり易いが、今の人間は、迷信に固まっているんだから、それをほどいて、新しいのを入れるんだから、非常な骨なんです。

  これは、今迄に色々言った事で、初めて読む人に解らせるべく――基本的なんです。

 次のは、今迄あんまり言わない事がありますからね。

 大体、理屈はこれで解るだろうと思ってますがね。あとは各地からの報告ですね。やっぱり、段々旨くいってますが、本当に四、五年続けた人のはないんです。大抵は二、三年位ですね。それでも、年々良くなると言う事は、はっきり解りますからね。充分信じられる訳ですね。今、終いにも書いてある通り、科学、科学と言うが、世間で言っている科学は、今言った通りビッコの科学ですからね。本当の科学じゃないからね。半分の科学だから、科学であっていて旨くいかない。逆効果になるからね。病気と同じですね。自然栽培と言うのは、今迄の世間の科学とは違いますよ。世間の科学の方が、ずっと幼稚です。こっちの方が進歩した科学です。向うの科学は、迷信科学ですね。それを心から解れば良いんですね。

 この間新聞に出てましたけれども、茨城県でしたかね――ある農村で客土をすると、非常に成績が良い。で、今年から全村に客土すると言う事が書いてありましたが、あれを見ても、良く解るんです。つまり、客土と言うのは新しい土ですからね。肥料のない土ですからね。新しい土を入れると増産になると言うんですから。それだけでも解るんですよ。何しろ肥料迷信にかかっているからね。つまり、新しい土を入れないと、土の養分が減った為に穫れないんだから、新しい土なら肥料分があるからと言う考えなんですから、実に――迷信と言うのは恐ろしいものなんですよ。それで結局、人間の病気と同じ様に、肥料は――人間が薬と思って毒を飲むのと同じ様なもので、農業の方も、肥料――つまり作物に対して、栄養分と言う様に思って、実は毒をくれてやって、そうして栄養をなくすると言う逆効果ですね。ちょうど同じ様なものです。

 今書いているのは『結核信仰療法』と言う本ですけれども、これは、色々な広告をして一般人に読ませるんで、信者向きじゃないんですがね。それに対して、ちょっと参考になる事がありますから読ませます。

 学校の講義みたいですがね。やっぱり、現代の人間を解らせるには、学問的、科学的に説かなければ信じないですからね。

次もちょっと面白い――この間も話しましたけれどもね。文章にすると、また面白い点が出ましたので読ませます。

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