
展覧会を観て(上) (栄光 七十号 昭和二十五年九月二十日)
上野に開催中の二つの展覧会を観た、一つは院展、一つは二科会である、どちらも現在日本に於ける東西絵画の代表と思ったからだ、そこで見たままの印象を、茲に赤裸々にかいてみよう
この題の下に前号に色々かいたが、まだ言い足りない点があるので、再びかいてみようと思うのである。というのは目下ジャーナリストがこの問題に対する批判として、各新聞に出ているのを見ると、尤もらしい理屈はかいているが、その実平平凡々、何等新味はなく
抑々人間なるものは万物中最高級なる生物であって、実に神秘霊妙到底人智では計り得ないものがある。処が科学はそのような深い点は全然未知なるが為、人間を以て単なる一個の動物と看做し、物質である肉体のみを対象として来たのでから、病気を以て肉体の毀損と解し、薬剤や機械等の物質を以て修理しようとする甚だ単純な考え方であった。