今回も箱根事務所に勤務していた時の話ですが、祭典日の前日は、信者休憩所の一角に設けられていた浄霊室は、大盛況でした。
全国から、祭典の受け入れ奉仕に来られる信者さんも大勢いましたが、それとは別にお花の活けこみ奉仕に来られていた地元の信者さん方もいました。
浄霊室では、私の他に退職された大先輩の先生もご浄霊奉仕に励んでいました。霊媒体質でしょっちゅう霊憑りになる人や、霊的な感性の強い人も結構な人数でいました。中には、霊に憑かれていても本人は無自覚で、少し体調が悪いという程度に思っていた人もいたと思います。そんな場合に、霊的な感性の強い人がそばにいると、あとになってから「さっきの人は、霊が憑いていましたね。」と教えてくれたことが、何回もありました。
奉仕研修に毎月のように参加されていたNさん(女性)は、境内に足を踏み入れると、体が急に重くなったり、頭がクラクラして普通に歩けなくなるという人でした。この人へのご浄霊は、非常にやっかいでした。
奉仕研修の入所参拝は光明神殿での昇殿参拝でしたが、このNさんは光明神殿の袖のところから動けなくなって、その場でへたり込んでしまうという状態でした。また神山荘に行っても、台所のところで動けなくなって、上の間には上がれませんでした。そういう場合、たいがいは女性の職員が、彼女に寄り添って対応していました。
しかし、奉仕研修参加だけでは、根本的な解決や救いには繋がっていなかったと思っています。もっと徹底したご浄霊が必要だと思いました。Nさんは、そんな状態で何年も苦しんでいる訳です。私は見かねて、ある奉仕研修の時に、班は別でしたが声を掛けてご浄霊をさせていただきました。
そして私は、「この状況から救われたいと思っているのであれば、箱根に来た時には必ず私からご浄霊を受けるようにしてみてください。私も真剣に取り組みますので。」といって、彼女の浄霊担当をすることを買って出ました。
彼女も、救われたい一心ですから、奉仕研修以外でも、私の都合を確認して、平日でも箱根に来てご浄霊を受けるようになりました。ですから、最低でも月二回は、ご浄霊をさせていただく環境になりました。
なぜNさんへのご浄霊はやっかいかと言えば、普通の霊憑りではなくて、何かしらの霊が棲みついている状態だと思ったからです。恐らくその霊の主は龍神だと思うのですが、一体とは限りません。その他にも、狐霊などもあったと思っていました。
審神者できるような人がそばにいたならば、Nさんに棲みついている霊が何者なのかも判明できたと思いますが、そのような人はなかなかいません。またいたとしても、そのような人は今の教団では、異端視されていたと思います。従って、明主様(大メシヤ様)にお救いをお願いして、私はただご浄霊を取り次ぐだけでした。
祭典日の前日の朝は、このNさんのご浄霊からスタートするというのが常になりました。私は、ご浄霊を取り次ぎながら、Nさんに棲みついている霊に対して想念で語りかけるようにしていました。そうすると、頭を動かしたり、身体をくねらせたり、手首を動かしたりしますので、その様子を見ながら、また想念で語りかけながら、ご浄霊を取り次ぐというような具合でした。
Nさんについては、結論的には、そのような営みを一年近く継続した結果、歩くのがやっとという状態でも頑張って、奉仕研修の入所参拝で昇殿参拝ができるようになり、神山荘の上の間に上がって、相互浄霊ができるまで回復しました。退職してからは、ほとんど会っていないので分かりませんが、もっとご浄霊を徹底していたら、状況はさらに改善されていただろうと思っています。
次に、霊感の強いSさん(女性)の話ですが、紫微宮の活けこみ奉仕が終わったあと、私にご浄霊を求めてきました。このSさんについては、何回かご浄霊を取り次がせていただいたことがあり、霊感が強いというか鋭い人だという認識を持っていました。
彼女は、「紫微宮を出たとたん、誰かが憑いてきた。」ということをいいました。私は、「Sさんに関係のある霊ですか?」と聞くと、「そうじゃないんです。紫微宮の中に入れない霊がいっぱいいて、明日はどうしても中に入りたいので、先生からお浄めしていただきたいようです。」ということでした。
私は、「そうですか。」といって、誰だか分からない霊に対して、「ご浄霊を取り次がせていただきますので、お浄めをいただいて明日は紫微宮の中に入ってご供養を受けられるといいですね。」という想念を送って、ご浄霊をさせていただきました。
30分位経過したころ、同じく紫微宮の活けこみ奉仕をされていたEさん(女性)が、浄霊室をのぞいたので、「しばらく休憩所で待っていてください。」と声をかけて、Sさんのご浄霊を継続しました。その後15分くらいすると、「今離れました。とても喜んでいました。ありがとうございました。」と言ったので、終わらせていただきました。
そのあと休む間もなく、Eさんにご浄霊をさせていただきました。彼女は、霊感の強いタイプではなく、「腰のあたりとか、背中のあたりが苦しい。」という症状を訴えてくるタイプの人でした。
私は、EさんもSさんと同じように、誰かの霊がお浄めいただきたくて、私のところに連れてきたのだと思いました。ですから、そのような想念で40分~50分ほどさせていただきました。すると、「楽になりました。ありがとうございました。離れたみたいです。」言いますのでびっくりしました。Sさんほどではないにしても、Eさんもそれなりに霊感の強い人だったのかと、認識を改めました。
Eさんは、北海道出身の方で、私の北海道時代のことを知っていたらしく、箱根に来たときには、私の姿を見つけるとご浄霊をお願いしてきていました。また、「北海道時代は、お導きがすごかったですよね。北海道では常にトップクラスでしたよね。・・・」などと話していました。私としては、地域が違ったこともあり記憶が曖昧でしたが、よくご浄霊をさせていただきました。
また、Sさんについては、箱根勤務になってから知った人ですが、いろいろと霊的なことを勉強させてくれた方です。その中のいくつかは、また別の機会に原稿にしたいと考えています。
今回の原稿の最後は、中国地方のTさん(女性)についてですが、この方も非常に霊感の強い方のようでした。ご浄霊をお願いされましたが、初対面の方でしたので、余計なことは言わずに静かに取り次がせていただきました。夕拝の時間も迫っていましたので、30~40分くらいで終わらせていただきました。するとTさんが、「先生。先生のご浄霊はすごいお力ですね。私も長年信仰をしていて、いろいろと偉い先生からもご浄霊をいただいてきましたが、こんなすごいお力のご浄霊をいただいたのは初めてです。偉くても大したことのない先生が多いですが、本当にびっくりしました。先生、どうか私を弟子にしてください。」と言ってきました。
一瞬、「この人は、何を言っているんだろう。」と思いましたが、「私は、弟子を持つような人間じゃないし、私たちはみんな、明主様のお弟子じゃないですか。」と、やんわりと断りました。
Tさんは、少し残念そうな感じで、「そうですか。」「でも、本当にすごいご浄霊でした。また機会がありましたら是非ともお願いします。それと、あした帰る前に寄らせていただきますので、住所と名前を教えてください。」と言って、少しの間、過去の浄化のことなどを話して行かれました。
翌日の午後、Tさんが立ち寄ってくれましたので、住所と名前を書いたメモを渡しました。その時も、「本当にすごいご浄霊でした。先生、お身体を大切にしてくださいね。邪神は、こんなすごいご浄霊をする人を、放っておきませんから。」と言って帰って行かれました。その後、何度かハガキを頂戴しましたが、お会いする機会には恵まれていません。
私も、過去には「浄霊力が強いですね。」とか、「夢の中で、先生が腰のあたりをご浄霊してくれて、朝起きたら腰の痛みが楽になっていました。」などということはありましたが、「弟子にしてください。」というのにはびっくりしました。
人によっては、相手の具合の悪いところにいくと、手が痛くなるとか手がしびれるということがあって、「あなた、○○が悪いでしょう。」という人もいますし、光が見えるという人もいます。しかし、私は全くの不感症で、光も見えたこともなく、ただひたすら明主様にお願いして、手をかざしているだけなのですが、不思議なことです。
今回は、4人の方の話をまとめた格好になりましたが、祭典日前日は、このように、霊罹りや霊的浄化の人、霊感の強い人を対象に、休む時間もほとんどなく、一日中ご浄霊を取り次ぐという状態でした。
霊罹りにしてもNさんのような特殊な例(他にも体験しましたので、近いうちに原稿にします)もあれば、霊的な浄化にしても、SさんやEさんのように、霊感の強弱によって、本人の認識に違いがあるということのようです。
また、Sさんの事例からは、救われたい霊は、浄霊力の強い人からのお浄めを望んでいるということが言えるのではないでしょうか。前回も書いたと思いますが、紫微宮の中に入れないとは、どういうことなのか。これは深く考察してみる必要があると思っています。
そして、昭和6年6月15日の霊界での夜昼転換が進み、それが現界に移写されて、世界中が混沌としています。正に、最後の審判が近づいている感じがしますが、これから益々、浄霊力の強い人が本当に必要な時代になるだろうと思っている次第です。では、どうすれば浄霊力は強くなるのか?明主様の信者である一人一人に課せられた課題ではないでしょうか。
by Mr.Right