神経痛/リョウマチス/脚気/水虫/その他『岡田先生療病術講義録』下巻(五)昭和11(1936)年7月

       神経痛

 この病は、全身病ではありますが、下半身に多い関係上ここで説明するのであります。

 神経痛は、その名称の通り神経が痛む病気で、重症軽症の差異ははなはだしいのであります。

 原因は、浄化作用による水膿又は毒血がある一部に集溜し、神経を圧迫するのであります。

 普通治り難い病気とされてありますが、本療法によれば極めて順調に全治するのであります。普通一週間以内――重症で二、三週間位であります。

 この病気は、リョウマチスを併発する事がよくあります。

        リョウマチス

 この病気は二種あります。

 一つは手足の関節に限られて発病するもので、症状は、紅潮色に非常に腫れ、発熱も伴い、激痛堪え難く、衣服さえ触れる事が出来ない程であります。

 原因は、悪性の毒血が、浄化作用によって関係部へ集溜するのであります。

 これも普通では、痛みの去るのに二、三ケ月を要し、しかも毒血凝固によって、手足の自由を失い、多くは不具者となるのであります。

 しかるに、本療法によれば、早期なれば一週間以内で全治するので、実に驚異的であります。

 他の一つは、腎臓の尿毒に因るもので「主に関節」でありますが、これは関節以外の個所にも発病するので、痛みは前者程ではないが相当に悩むのであります。

 この症状の特徴として患部の皮膚の色は変化のないことと、痛みが移動性である事であります。
 
重症は全身的で、痛みの為寝返りさえ出来ないのがあります。

 本療法によれば、容易に治癒するので、まず一週間ないし三週間位で全治するのであります。

 治療の場合、腎臓部も特に施術しなくてはならないのであります。


 以上二種共、他の治療及び時日等によって固めたものはそれだけ治療に時日を要します。

 最も固まったものは六ケ月又は一年位かかる事もあります。

      脚 気


 この病気は、軽症においては膝から下、いわゆる、脛の辺りの麻痺でありますが、重症となるに従って掌、特に拇指近き部分及び脣(くちびる)等にまで及ぶのであります。ただし、婦人にある産後の脚気は右とは異って脚部全体から腹部及び乳の辺りまで麻痺するのであります。

 原因は医学で唱えるごとく、前者にあっては白米中毒であり、後者にあっては、出産による残存悪露(おろ)が浄化作用によって皮膚面へ滲出するのであります。

 本療法によれば、一週間ないし二週間位で全治するのであります。

 前者の脚気に対しては、普通の米糠を煎って食事の度毎匙(さじ)一杯宛(ずつ)飲めば「有効」であります。

 次に、腎臓の尿毒に因る、擬似脚気ともいうべき症状があります。これはむしろ真の脚気よりも多い位で、吾々の所へ脚気と言って来る患者が、実は脚気ではなくこれが多いのであります。

 この症状はほとんど麻痺はなく、脚部全体が重くて、歩行はやや困難で、多少の痛み又は浮腫があるのであります。

 稀には軽症の腹膜炎が原因である事もあります。

 本療法によれば一、二週間で全治しますが、治療の場合腎臓部及び腹部を充分施術しなくてはなりません。

       水  虫

 この病気は、足の指の股に一種の湿疹が発生し、苦痛としては痒みであります。

 原因は、小虫群の霊の憑依であって、非常に治り難いものとされておりますが、本療法によれば非常に治り易いもので、軽症は二、三回――重症で一、二週間で全治するのであります。

      陰睾(いんきん)田虫

 この病気は陰嚢の田虫で、なかなか痒いのであります。

 本療法によれば全治しますが、相当時日を要するのであります。普通一ケ月位を要します。

       毛  虱


 これは、陰毛部に一種の虱(しらみ)が棲息し、非常に痒いのであります。原因は性交及び入浴のこの二つからであります。

 この治療は、陰毛を剃落して水銀軟膏又は種油を塗布すれば一、二回にて治癒するので、本療法の必要は無いのであります。

      雁  瘡(がんがさ)

 この病気は、脛の裏側に生ずる一種の発疹であって、相当痒いのであります。

 本療で、一週間以内で治るのであります。

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