*自然栽培・自然農法(御垂示録5号 昭和26年12月6日②)

自然農法

《お伺い》島根県D村で、青年団の主催で、農作物の品評会があり、一つは初年度、二つは二年度で特賞品に入りました。その時、明主様の御論文や、松井先生の書かれたものを二百部持って行っておりましたが殆んど出ました

《御垂示》それは面白いね。さっきの、農業を書いてある――土の精分ですね。土全部が肥料だと言う事を、大いに話するんですね。今日の自然農法と言うのはね――落葉や枯草は自然だ――つまり神様ですね。その言う事を大いに強調するんですね。だから、固まらない土だったら、土ばかりで良いですよ。何も不純物を混ぜてなかったら、とても良く穫れるんですよ。米なんか、今の倍位穫れます。土の本来の力を発揮するからね。ちょうど、人間が薬を飲まない様なものです。

《お伺い》その場合、堆肥は必要がなくなるので御座いましょうか。

《御垂示》固まらなければね。土自体の性質もありますからね。赤土なんかね――ああ言うのは固まらない迄、堆肥を使わなければならない。

《お伺い》畑の方は草の落葉で。

《御垂示》そうです。

《お伺い》下の方に入れますので、あるいは混ぜますのでしょうか。

《御垂示》混ぜる必要はないですね。葉にもよりますがね。松葉みたいなものは、杉だとか――針葉樹の様なものは、土に混ぜて良いですが、葉のたぐいは筋がありますからね。あれが腐る迄大事ですからね。葉は床に入れると書いてあるでしょう。しかし、土に混ぜても良いですよ。それは臨機応変ですね。

《お伺い》畑に、草の方とわらを切込んだのとやって見ましたが。

《御垂示》藁は米――稲ですよ。

《お伺い》畑の藁は。

《御垂示》藁は畑に入れちゃいけませんよ。理屈にはずれている。藁は何処迄も米です。

《お伺い》麦に藁は。

《御垂示》藁はいけないです。畑のものは、全て落葉と草です。

《お伺い》畑の場合に、付近に落葉も草も御座いません場合に、麦の藁を使用する事は。

《御垂示》いけませんね。麦は固いものですね。長く置いて腐れたものは良いが――相当長くね。取りに行けば良い。無精ぶしょうするからです。一里や二里行けばありますよ。草を――雑草を生えさせる為に土地を空けて置いても良いじゃないか。何んな所でも――種を蒔かなくても生えます。

サツマイモ栽培

《御垂示》サツマイモは大きいので目方は何の位が普通ですか。

《お伺い》大体二百匁から五百匁と言う処で、皆丸く――フツトボールの様で御座います。

《御垂示》有肥栽培でも、その位のができますか。

《お伺い》できません。

《御垂示》そうでしょう。とにかく、無肥の方は、大きいのができるんでね。この間大きいので五百五十匁かあった。だから、サツマイモも無肥でやっていくと丸くなります。長細いものは段々少なくなって、段々丸くなります。ジヤガイモみたいになる。

《お伺い》保存が非常にききます。

《御垂示》ききますよ。米でも野菜でも、肥料がなければ――神様がそう言う様に作ってある――保存がきく様に作ってある。

堆肥について

《お伺い》藁を堆肥にする場合、土と草と藁を交互に置き、下肥とか風呂の水を使いますが、そう言うのをかけないで腐らせた方は。

《御垂示》それが堆肥ですよ。クソをぶっかけるのは堆肥じゃないですよ。だから、田舎の人はクソをぶっかけるのが堆肥と思っている。どうも良くできないと言うのを聞いてみると、クソをぶっかけている。だから、できるだけ清浄にとあるでしょう。馬のクソとかやるが、何もやらない――純粋のだと、とても良い。考えがあべこべなんです。肥料迷信ですね。クソをぶっかけたり――色々しなければ、物ができない様な――そんなくだらない土ですね。そんなつまらない土に、神様が作る訳がない。薬を入れる方が丈夫と言う様なね。大変な迷信です。全然、頭がひっくり返っている。切変えどころじゃない。よく、堆肥は何貫目入れたとか言って――堆肥が肥料になって、それで良くできると思っているが、あれが大変なものです。土を大変に軽く見ている。土を軽蔑するんですよ。神様が作ったものだから――人間の分際で、神様を軽蔑する様なもので、神様に対する反逆です。神様が作ったものは尊ばなければ――感謝しなければね。

肥毒がなくなれば腐らない

《お伺い》無肥三年目で、苗代の時腐り。

《御垂示》未だ肥料が残っているんです。

《お伺い》収穫も半分以上腐っておりました。しかし近所並で御座いました。

《御垂示》それは、みんな肥毒が残っている。肥毒が全然なければ、腐るなんて絶対にない。大変な間違った教育をされちゃった訳ですね。

肥料迷信打破運動

《お伺い》本日糯米もちごめを五升持って参りました信者の話で、五年目で御座いますが、脱殻機には、粒が大きいのでかからないそうで御座います。八人やっておりますが、八人共かからないそうで、脱殻機を改造しなければならない事になります。

《御垂示》普通のお米でも、網の目から落ちないそうで御座います。

 着物なら合わない。洋服なら小さいと言う訳ですね。よく田舎では、無肥にして、一、二年だと、良い加減できると、これは先の肥料が残っているのだからだと言うが、年に従って良くできるので、面くらっちゃいます。肥料迷信に、徹底的に固まっちゃっているんですね。迷信打破運動ですね。そいつを、先が迷信打破と言うんだからね。それは迷信屋から見れば、迷信でない者が迷信に見えるのは当たり前でね。宗教と言えば、大変な――一つの運動ですね。迷信打破運動です。

非常に強い迷信にかかっている

《お伺い》諏訪の方では、有肥で十三俵位穫れるのがあり、肥料によって穫れたと言う事を思わせる様で、しかし米選器落ちと言う、小米が非常に出て結局は同じで御座います

《御垂示》凡ゆるものはそうなんです。ちょうど、麻薬中毒みたいなもので、最初は麻薬をやると、良い気持ちになり元気が出るので、それで一杯食っちゃう。それと同じで、硫安なら硫安をやると一時はギュッと出る。それで、これに限ると思っているが、駄目になる。今迄の文化と言うのは、最初は良いんです。それに迷わされると、段々駄目になる。こっちの自然栽培と言うのは、最初は良くないが、段々良くなる。熱冷ましも、最初は良いでしょう。それで、熱冷ましをやるものと思うが段々悪くなる。肥料もそれと同じ理屈です。今私が書いているのに「抑えつけ文化」と言うのを書いてますがね。何でも抑えつけですね。悪い事をするのに、取締りとか、法律でやっつける。当分できないが、今度はもっと旨くやろう。今迄は下手だったから知れたので、今度は知れない様に旨くやろうと言う様に、段々進んで行きますね。今、役人の汚職事件をやってますが、しかし現われたものだけを抑えつけ様と言うやり方ですね。だから、抑えつけ文化ですね。理屈は簡単に解る様なものだが、簡単に解らないと言うの  は、非常に強い迷信にかかってますね。学校で迷信教育している様なものだね。

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