再びBCG問題について(栄光135号 昭和26年12月19日)

 目下各方面からやかましく言われているBCG問題に対し、去る十一月十九日発行の、『時事新報』紙上に左記の如き記事が載っていた。それは読めば判るが、或農村でBCG接種による恐るべき被害に懲りて、接種を止めて欲しいという訴えであるが、この様な例は時々聞くのである。処が最近の医学界の傾向は、どうやら無害として引続き施行するを可とする意見に傾いた様だが、吾々からみれば実に不可解と思うのである。というのは彼等は有害な報告があっても目をおおうて、見ないようにしているかとさえ思えるからである。そうして同薬が効果ありとする理由といえば、接種を行った地域は行わない処よりも、発病率が非常に少ないという統計からである。

 処が医学はこの表面に現われただけの事実を見て決めて了う処に誤りがあるので、勿論医学では根本が解っていないから仕方がないが、吾々にはよく判っているからここにかいてみるが、いつもいう通り結核発病とは浄化発生であるから、之によって根本的に治るので結構であるのを、医学は逆に解し、其浄化を停めようとしてBCGを使うのであるから、発病者が減るのは当然である。併し一時抑えである以上、一旦は減っても年々継続するに於ては、自然抗毒作用が発生し、漸次効果が薄れてゆき、而もBCGの薬毒の浄化も加わるから何れは非常に悪質な、結核患者激増時代が来るのは、火をるよりもあきらかである、としたら之を考えただけでも、肌に粟を生ずるであろう。嗚呼医学の盲点や実に救うべからざるものがある。

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