『文明の創造』発刊について御講話に求める(その2)「地上天国を作る」より 

御講和 於/日比谷公会堂  昭和二十六年五月二十二日

 そこで私は約半年ばかり前から書き始めてたのが『文明の創造』という本です。で、この『文明の創造』という本の目的は、今までの文明は本当の文明ではない、と、本当の文明はこういうものだということを、医学、政治だとか、教育、芸術、凡ゆる方面に渉って、そして真の文明世界のやり方ですね、それを書くんです。大体医学の方はもうあらかた出来ていますけれども、まだ外のものはこれから書いて--書くとして、今年一ぱいくらいで書き上げるつもりです。出来たらそれを英文に訳して、そして世界中の大学から学界、それから著名人とか、そういう人達に出来るだけ広く読ませるべく色々手段をとるつもりです。勿論ノーベル賞審査委員会にも出し--だが、ノーベル審査委員会は、やはり唯物文化の偉い人達ですから、私の説は最初から容易に受け入れ難いと思う。しかし皆偉い人達が今求めているもの、それを書くんだから「これだ」という事に気が付くには違いないと思うのです。
 そうしたらノーベル賞を私に十や二十よこしてもいい。そんな訳で、この『文明の創造』の本が出来たら、お膝元の日本の人達も大いに読んでもらいたいと思います。
          

「地上天国を造る」  昭和二十六年六月十三日

 そうして私は今『文明の創造』という本をかいておりますが、これは今言った通り、今までの文明は本当の文明ではない、片端の文明であるから、何程進歩したとて幸福は得られない以上、現在までに進歩した物質文明に魂を入れて、新しい本当の文明を創造すべく、そのプランを示すのであります。つまり悪の文明を善の文明に置換える事で、地上天国の設計書とも言うべきものであります。これが出来上った上は、英文に訳して全世界の大学は固より、学界、著名人等に出来る丈広く配布すると共に、ノーベル賞審査委員会へも出す積りであります。併し乍ら同審査委員も、既成文化の権威である以上、余り進歩した私の説は容易に受入れ難いでありましょうが、絶対の真理である以上、結局は理解されることとなりましょう。としたら世界的一大センセーションを捲き起すのは勿論、現代文明は百八十度の転換となり、全人類待望の理想世界はここに実現の順序となるでありましょう。これは勿論神様の大経綸であり、空前の大事業でありますが、成功する事は一点の疑いない事を信ずるのであります。皆さん、私は斯んなドエライ抱負を申しましたが、若しこれが単なる大言壮語に終るとすれば、私という者は大法螺吹きの大山師で、怪しからん奴と指弾され、葬り去られるでありましょう。或は松沢病院行きとなるかも知れません。だとしたらそんな馬鹿気た自殺行為は、私は真平御免であります。
              

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