純日本医術の建設(一) 一、肺結核 (光明世界 二号 昭和十年三月四日)

 先づ患者の肩胛部及び頸部を指頭にて順次探るべし。其際必ず大小のグリグリを発見すべし。其際左右何れかが多数又は大なるべし。其多大なる方の肺が病に罹りゐるなり。又肩胸の辺りに掌を当つれば、其熱気の度合に依って患部が何れにあるか及軽重を識り得べし。又掌を胸部に宛てて深呼吸をさすれば、喘音を感ずるも、こは聴診器の診断と同一なり。又咽喉に喘音のある時、右側の場合に右肺を犯され、左側の場合は左肺を犯され、喘音大ならば、喀啖の量肺内に多く溜積され、喘音小なれば喀啖量小なる訳なり。次に声帯異常(皺枯声)及び、食物飲下時に痛みを感ずるは、多くは末期に際し、濃毒素を含む喀啖が喉道を通過する際、其毒素に依って粘膜を破壊、若しくは腫張さるる為なり。次に肺結核特有の食欲不振の原因は、之又案外の方面にある事を知るべし。此の食欲不振の真因は、未(イマ)だ医学上に於ては発見されざるならんも、余は無数の実験に由って終に此の原因を識る事を得たり。即ち此の原因は胃部心窩(ミゾオチ)部より臍の附近迄を指頭にて軽く圧し見よ。さすれば強靭にして弾力性ある、膿の凝結せる如きものを発見すべし。そは余の推定に由れば喀啖の堆溜凝結せるものにて、余は之を仮に水膿と名付く。此水膿凝結が絶えず胃部を圧迫しつつある故に、胃の運動を防ぐる事甚だしく、之が消化不良の原因となるなり。此の場合余は其水膿の凝結を指頭より放射する霊光に依って溶解消滅さするが、する度合に応じて、食欲は漸次進みゆくなり。是を以て結核患者の原因と目すべき部位は実に肺臓に非ずして、第一、肩胛部、頸部のグリグリ、第二、胃部の水膿の圧迫にして、医家が患部と目せる肺臓の個所は、其結果の現出部なるを知るべし。故に余は此の二点に意を注ぎ、 此の二点を霊光療法を以て溶解消滅さするに於て、漸次快方に向ひ、第三期の患者にして全治せしめたる者多数あり。

併し霊光療法は、遺憾ながら、全世界中余一人のみの業なるべきを以て、此の点如何ともなし難く、故に今後の医療としては、右二ケ所の水膿凝結を如何に排除すべきや、此の研究が残されたる問題と謂ふべく、此の排除法さへ解決すれば、さしも難治とされゐたる肺結核をして、容易に全治され得る事を確言して憚(ハバカ)らざるなり。

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