こんにちは
今年の7月だったでしょうか、奈良国立博物館の正倉院展に行ってきました。
コロナ禍で予定の開催期日よりもずいぶん遅れての開催であったことと、世の中がコロナへの警戒がかなり強い時期だったので、普通の正倉院展ではあり得ないことですが、行ってすぐ入れましたし、展示場も空いていて、この「模造 螺鈿紫檀五絃琵琶」もじっくり見させてもらう事ができました。例年でしたら、注目の展示物を見ようとしたら、そこでまた行列で、ゆっくり立ち止まって見るのもはばかれる気がしたものですが、今回は全部見終わってからまた戻って見に行っても、ゆっくり見ることができ、琵琶の美しさを充分堪能させていただきました。普段ではありえないことでした。
実は”ー再現模造にみる天平の技ー”のキャッチコピーからもわかるように、「なんだ、本物じゃないんだー」などと少し期待しないで行ったのですが、なんとなんと私の予想を裏切る素晴らしい展覧会でした。あれから東京などでも開催されたことが、画像を検索していて分かりました。
模造品と侮るなかれ、
”人間国宝ら伝統技術保持者の熟練の技と、最新の調査・研究成果との融合により、芸術性・学術性の高い優れた作品が数多く生み出され”と解説にあるのですが、
私は正倉院展から帰ってからもしばらくはその作品たちの美しさの余韻に浸らせてもらえて幸せでした。
芸大出身の友達に、”螺鈿紫檀五絃琵琶”は日本のものかと思って聞いてみたら、「多分中国で作られたんじゃないかな」といいます。日本にも螺鈿を使った美術品は結構あるのに元々、日本に昔からあった工芸技術じゃないんだと初めてわかりました。博物館に電話して本物は元々どこの国の物なのか問い合わせてみましたら、電話口の方では分からず、しばらくして、多分中国で作られたものだと思います。」という答えが帰ってきました。電話までして聞くとは、私もよっぽど”螺鈿紫檀五絃琵琶”に見せられてしまっていたのでしょう。(笑)
下の画像は上の画像の裏側です。手元に写真がないので、正倉院展会場で購入したファイルを写真で撮りました。とても美しい螺鈿です。是非HPなどでもご覧ください。
よみがえる正倉院宝物
私が見たのは正倉院展ではなく、特別展だったようです。
何故こんなエピソードを描こうかと思ったかと言いますと、実は昨日出掛けた時にたまたま、ゴッホの「花咲くアーモンドの木の枝」のショッピングバックを持って買い物に行っていて、ふとそこから、ゴッホも日本の浮世絵などから強い影響を受けた世界的巨匠の1人だった事を思い出し、正倉院の特別展の事をまた思い出して、メシヤ様の御教えに繋がるものがあるなーと思い、美術に造詣が深い訳でもない私ですが、思ったままを書いてしまいました。(汗)
日本の文化は求心的であり、西から出来て来たものは荒ごなしで仕上げがしてないのである。これは遠心的であって、仕上げて西へ又逆輸出するのが日本の今後の仕事である。今までの状態は西より東へ来たが、これが九分九厘である。
『観音講座』第六講座 日本と外国の使命
今度は東から西へ太陽の光りで一遍に照して終うのである。
模造品なのに何故あれほどまでに惹かれたのか・・・・。観音講座の第六講の図形などを何度も修正して御教えを何回も読んでいるうちにその答えが分かったような気がしました。
2年ぐらい前に、思いがけず孫の世話の為にベルギーに滞在することになり、子供達家族とベルギーの隣のオランダに行く機会があり、ゴッホ美術館へ行きました。ゴッホといえば教科書にも載っている”ひまわり”の絵が有名ですが、美術館に行って、すぐ目に飛び混んできたのはゴッホの作品の「花咲くアーモンドの木の枝」をモチーフにした、大きなオブジェでした。ゴッホが浮世絵が好きで描いた作品を見たこともありますが、原色が強くやはりゴッホはゴッホだなと思っていたのですが、私は美術館でそのオブジェたちを見たときから、とても日本的な柔らかな色調で、アーモンドの木を勝手に桜の木と思いこみすっかり気に入ってしまいました。ゴッホが亡くなる少し前の作品だったようです。ひまわりの印象とはあまりに違うのでびっくりしたので今でもその作品の事をよく覚えています。下記の写真はその時買ってきた小さなトレーの写真です。
巨匠ゴッホも、日本から大きな影響を受けた一人なのだなーと実感しました。