御教え *医学が病気を作っている根本/美術(御教え集11号 昭和27年6月5日②)

 それからこの間結核半減のお祝いをしましたが、あれをちょっと書いてみた。

(御論文「結核半減記念祝いに就て」)

 これに就いて『結核信仰療法』は出来て、今印刷の方にまわってますからね。これは日本にも世界にも医学に関係した方面に出来るだけ配るつもりですがね。そうしたら少しは目が覚めかかるであろうと思ってます。随分徹底して書いてますからね。ず医学が病気を作っている根本からくわしく書いてありますからね。随分驚くだろうと思います。しかしそれを反対するとか、突っ込むということは、恐らく出来ないですね。それを出来ない様に実例をあげて徹底して書いてありますからね。まあ、黙っている事も出来ないですね。日本人も、驚くお医者さんがあり、外国の医学界もどうしても黙っていられないですね。こっちは別に騒がすつもりじゃないが、どうしても、この病気というものに対する本当の事を解らせなければならないですね。それで人類から病気を無くするという事が、地上天国でも五六七ミロクの世でも根本ですから、それにはどうしても世界人類を徹底して解らせなければならないですね。その第一弾ですからね。まあ、ただじゃ済まないと思いますね。そうしたら、何と言って来ますか――何とか言って来るだろうと思いますがね。そうしたらまたその次の手を打つつもりです。それで少なくとも日本はお膝元ですからこれは手っ取り早いから、先で聞きに来るか、なんとかせざるを得ないだろうと思うんです。何しろ今そういった世界の状態をみると黙っていられないですよ。今度出来たヒドラジドにしろ、あれなんか大変な品物の様に大騒ぎをやっている。各国の政府が関心を持って、その国のお医者に試験させようとしてますが、なんでもかんでも薬に頼る。薬と、あるいは手術とか、そういう事の、ちょっとでも新しいものが出来ると、すぐに飛びついて研究するという事が、殆ど薬迷信にとらわれきっているんですから、これをぶち壊さなければしょうがないですからね。といっても、このままで行けば、これで誤魔化して行けますが、いずれ浄化が段々強くなりますから、それは色んな病気が急激に増える時代が来ますから、そうなってからあわてると犠牲者が大変ですから、そうならないうちに警告を与えておく必要があるんです。今年は赤痢なんかが非常に増える傾向にあって、何十年振りと言ってますが、今にこんなものじゃないですね。何十年振りじゃなくて、レコードを破ったり、それこそ今迄の何倍どころではない、何十倍という時期が来るんです。ですからその時になって、初めてメシヤ教が言った事は本当だ。これだという事が解りますから、そうすれば信者に一ぺんに束になって来ますよ。ですから今のところは、その準備をしているんですね。そういう時代になると、治したり訳を教えてやる人が非常に必要ですから、そういう人を今神様が作っているんですね。ですから今信者になっている人は、そういう人なんですね。そういう人にしろ、やはり色々――医学では、博士もあるし学士もあるし町医者もあるし――まあ、なるべく博士になる様に一生懸命にね。

「国際美術展」美術の内にまだはいってない 。美術という事を知らない

 それから今評判の「国際美術展」というのを上野でやってますが、あれは世界中の画家が協同的にみんな出したんですから、非常に値打はあります。それで日本、アメリカ、イギリス、フランス、イタリア、ブラジル、ベルギーと、大体そんなところですね。ドイツはない様でしたね。それで各国の油絵の中から選んだ。相変らず未だ変な病気は治らない。やっぱりああしてみると、薬で病気を作ったり、それから肥料で減産にしたりしているのと――そういった間違った頭が、美術の方もよく似ているんですね。丁度油絵なんか、不思議な絵ばかりですよ。その中で評判になっているのは、フランスのルオーとブラックですね。マチス、ピカソは非常に新しがってやってますが、この二人はそう新しがらない。どっちかというと――旧派じゃないが、落着いた方の作品なんです。しかしそれを良く見ると――それは本当の審美眼から言うと問題にならないですよ。ルオーなんかも非常に大騒ぎをやってますが、美術の内にまだ入ってないですね。まだ工芸品ですね。まだ、あの人達は美術という事を知らないんです。日本でもそういう画家は非常に多いですがね。それで世界中のを比較してみると、やはり日本が一番です。これはそういう評判もある様ですが、確かに油絵は――日本はお弟子の様ですが、外国のよりか良いですね。それで日本の油絵は、兎に角活気があるんです。まだ若々しいですね。ところがフランス、英国あたりのは、もう時代から過ぎた――あるいは、もうくたびれている、という様な具合で、殆ど活気がないですね。沈滞している様な具合ですね。フランスなんか、人は非常に褒めてますが、全体からみて絵が非常に弱いんです。迫力がないんです。それともう一つは、フランスでいうとボリュームですね。ボリュームが非常にない。その点において日本は一番ですね。ですから日本人というものは、兎に角美術においては、世界に卓越している人種と言ってもいいですね。

 それから、私はそれについて、この間宮本武蔵の絵を買ったんですがね。達磨達磨の絵ですが、実に上手うまいんです。私は驚いたですね。支那の宋時代の有名な牧谿もっけいだとか梁楷りょうかいですね。ああいう人達と遜色ないです。今度美術館に出しますがね。字も上手いです。字は一休によく似た字ですが、一休より上手いかも知れない。沢庵たくあんなんか問題にならないです。沢庵に始終教えて貰ってましたがね。武蔵の字は沢庵よりずっと上手いです。そうすると武芸者ですね。武芸の達人になると、レベルが同じになるんですね。一つの名人になると、他の事もやはりそれにつれていくものなんですね。これは、よくそういう事をみますがね。私の所にありますが支那の宋時代の坊さんで、有名な虚堂きどうという人のがある。観音さんの絵を私は持ってますが、これは実に上手いです。これは字より上手いくらいです。あまり習ったとは思えないですね。やはり字が上手い――上手いという事は、それだけ行が積んで魂が偉くなっているから、そういう人のは字を書いても絵を画いても同じにいくんですね。いつも言う通り、東洋美術としては支那の宋元そうげんの時代ですね。宋元を過ぎてみんになると、実に下手へたですね。実に不思議ですね。ところが、宋時代に偉い画家が出ましたが、全部坊さんです。だから牧谿和尚とか梁楷禅師とか――そんな様な坊さんなんです。最近手に入れたものですが、五代ごだいという――宋よりもちょっと前です。とうずい、五代から宋になるが、その時代の徐煕じょきという人は実に上手い。私は驚いたですね。今度美術館に出しますが、これを今の画家が見たら、到底目がくらみますね。今、くだらない西洋の絵だとか、日本画なんかも迷って油絵なんかの真似をしてますが、これは良いものを見ないからでしょうね。昔の名人のをね。だからどうしても良いものを見せなければならない。今度美術館もそういった支那の名人、日本の名人――そういうのをやって、見せようと思ってます。これで大いに刺戟しげきされるだろうと思います。そういった美術家ばかりでなく一般の鑑識眼は高くなると思います。結局そういった良いものを見なければならないので、そうすると、他の良い悪いが解るんです。ところがくだらないものばかり見てますから、頭が下になっている。私は始終良いものばかり見てますから、今言う「国際美術展」に行っても、楽しんだり鑑賞しょうという心が起らないですね。腹が立ったり情なくなったりね。美術を楽しみに行くのではなくて、美術を憤慨しに行くんですね。馬鹿々々しくなるが実際はそうですね。だからそういう人達に良いものを見せたら相当刺戟して、頭が変るだろうと思います。日本でも今度文化事業の為に行く梅原龍三郎うめはらりゅうざぶろうという人ですね。油絵の――。あの人はいま日本で一番の名人でしょうが、あの人は非常に書画骨董が好きですね。私より好きかも知れないですね。買ったといってから、それから絵を画く。それだけのものを稼ぐ。実にすごいですね。それでやりますから、梅原龍三郎のは実に良い。今度出しますがね。どこか違うんです。非常にボリュームがあるんですね。ですから見応みごたえがあるんですね。他の現代の油絵とは違うんです。やはりそれは見る人があるんで、あの人の絵が一番高いです。高くて、画くと直ぐ売れちゃうんです。もう一人安井曾太郎やすいそうたろうという人がいますが、あの人の絵は私はどうもね。だからそういった点においても、ああいった古い美術品を好きな人はどこか違うんですね。宮本武蔵みたいにね。それから、小説家がそうですよ。吉川英治がそうですがね。あの人は古くからそうです。三十年前からですが、稼いだ金で全部買っちゃう。だから今も良いものを持ってます。だからあの人の作品も大いにそれが影響していると思うんです。今度の、宮本武蔵の書いたものは、吉川英治と徳川夢声は非常に欲しがるだろうと思いますがね。宮本武蔵は「二天にてん」と書いてある。それから国宝が一つある。それは有名な――鶏の蹴り合いの絵ですが、何しろ国宝になるんですから、いかに良いか分かる。それに、実に数が少ないんです。私も先から欲しいと思っていましたが、今度のは非常な傑作で喜んでます。そんな訳で、作家で好きなのは川端康成、大仏次郎おさらぎじろう。女では吉屋信子。ああいうのが好きな人は、あのほうでも偉くなるんですね。だから人間はああいう古い美術で頭を養うというのは、他の事に良い影響がある。その方の親玉は秀吉ですね。若い時分から好きで、いくさの最中で集めて来たという事は実に驚くべき事なんですね。ですから信仰上から言っても、ああいうものを見るという事は、要するに魂を向上させるんですね。魂の位を上げるという事になるから、やはり美術館というものは、宗教上から言っても必要なんですね。

 

 

 

タイトルとURLをコピーしました