風神、雷神について
《お伺い》風神、雷神について、お伺い申し上げます。
《御垂示》宗達の画いたものですね。つまり、昔は人格化したと言うのを、ああ言った。空想的なものだね。良さと言うが、ああ言うのは理屈じゃいけない。一つの――昔の人の考えた、そう言ったもので、人間化した。ユーモア的に考える――昔の人の考え方に面白いものがある。それを表現して筆であらわしてあるのをみて、面白いと言う訳です。理屈じゃない。
《お伺い》そう致しますと、主観的なもので御座いましょうか。
《御垂示》いや、主観的でもないですね。主観も客観もなく、ただ面白いと言うのです。ただそれでいい。
お釈迦さんは野天で亡くなっていますが…
《お伺い》お釈迦さんは野天で亡くなっていますが、あれ丈の人が野天で死ぬと言う事は如何なもので御座いましょう。
《御垂示》土のミロクだからね――一言にして言えばね。
《お伺い》大腸カタルでという事を聞いた事が御座いますが。
《御垂示》大腸カタルと言うと、何だか変だが。そいつは判らない。とにかく、室内で亡くなられたんじゃないですね。動物がいっぱい集まっていますが、有難しく思わせる為に作ったものでしょうね。もう少し浄化作用の原理でも知ってればね――私の弟子になっていればね。
物事を決めない
《お伺い》大和民族の特徴は平和愛好で、芸術を好むとお教え頂きましたが、そう言った風に、出雲系天孫系の特徴をお伺い申し上げます。
《御垂示》それは出雲系は――素盞嗚尊は月だから、「ツキ」と言うのは突くと言うのです。ですから、刀なんか月の形になっている。「ツキ」と言うのは突くと言う事で、征服すると言うのは「ツキ」の働きです。今の文明は「ツキ」の働きです。ボクシングをやる事、あれは素盞嗚尊の系統です。「ヒ」は引くと言うので求心的なんです。徳によって慕って集まって来ると言うのが、火の系統の性格です。征服して覇道的にやる事が、月の系統です。今迄は月の系統のやり方ですね。今度は昼間の火の系統の働きになり、ひきつけるのです。天孫系の方は、大体火の系統なんです。引く系統なんです。日本の天皇は、引く方の系統です。だから二千年も続いている。「ツキ」の方だと中々そうは続かない。
物事を決め様とする――そう言う今迄の考え方や説き方は――だからいけない。決めないのです。経緯結ぶと言うので、千変万化で、両方が必要であって、両方のどっちかではいけない。突く方もあれば、引く方もある。根本は引く方でなければならない。それが伊都能売の働きなんです。悪の世の時代と、五六七の世の時代とは違う。月の時代に引くと負けるが、今の様になればいい。
『信仰雑話』時代に説いた事と、『天国の福音』時代に説いたのは、やっぱり違うんです。既成宗教が明さなかったと言うのは、明せなかったのです。医学に対しても、以前は加減して書いた。徹底しない憾みがあった。最も、吹けば飛ぶ様では強い事は言えないが、こっちに力が出てからは、これは本当かも知れないと言う事になる。ヒョロヒョロしているのに、真理とか言うと気違いだ、と言う事になる。やはり応身の働きです。教えを説く場合、相手にとって、飛んでもなく外れてしまう事がある。甘い物が好きな人に、辛い物を食え食えと言う様なものでね。
《お伺い》食え食えと言う位でなく、口をこじ開けて入れる者もおりますので。
《御垂示》そうです。酒の好きな者に甘い物を食わせる。動作をみて、好きか、嫌いか見なければならない。自分がおいしいと思う物は、人もおいしいと思ってね。相撲の好きな人に向かってて、野球の話をする様なものです。
たまたま霊の見える人を神様が作っている
《お伺い》光が見えると言う事が出ておりましたが、暗い所では見えないと言うのは。
《御垂示》太陽の光線を吸収するんです。光の体なんです。光の霊は全然見えない。昼間の時は、太陽の体が吸収されるんです。
《お伺い》一般に見えますのは夜の方が多いのですが。
《御垂示》それは霊の見える人です。今の人は体が見えるんです。処で、見えない程強く、見える程弱い。見えると言う事は限定されちゃう。たまたま霊の見える人がいると言うのは、神様がつくるんです。霊界を知らせる為にね。昔はなかった事です。
今、私のやっている事は、人ができないからやっている
《お伺い》地鎮祭を頼まれましたので御座いますが、如何致しましたらよろしゅう御座いましょうか。
《御垂示》それは神主に頼めばいい。他の人でできる仕事は、他の人にやらせると良い。今、私のやっている事は、人ができないからやっているんです。
禍いが沢山来ると言うのは、そこの家の祖先が救おうと言うので来るのです。
今迄の医者の方は固め療法です。それが、段々固め悪くなった。こっちは溶かし療法です。固め悪くなったと言う事は、溶かし易くなったと言う事です。