《お伺い》
個人の名前の事で御座いますが、名前を変えるにも時期があると言うのは、どういう様な事で御座いましょうか。
《御垂示》
私は、先に頼まれて変え様とする時に、どうしても出ない事があるんです。そう言うのは時期が早いのです。時期と言うのは、その人の曇りの多寡(たか)です。多い少ないです。運命の転換ですからね。しかし、変え様と言う事は大分時期が来ている。名前を変えて貰って、かえって悪い事がありますからね。この間、何先生に変えて貰ったと言うのが死んだ。とても悪い名前なんです。知らないんですが、それはいけない。確信がなくてはいけない。仙太郎なんかとしてはいけない。私が変えてやると言う事は神様に止められてますが。選(よ)り取りと言う事は構わない。その場合、自分で幾つも書いて来たら選択はしてあげる。
《お伺い》今迄、責任のある事なので、信者さんにも言いませんでしたが、中には色々な方面から聞き、気にする方がありますが、どういう風に致しましたら宜敷いでしょうか。名前の変え方も分かりませんし、そのままで宜敷いでしょうか。
《御垂示》そのままで良いです。資格者になれば、位ができる――仏教で言えば覚者となるので、それだけのお蔭を頂いている。一般の信者はそこ迄いっていないので、修業してそこまでいかなければならない。名前と言うのは、軽々しく変えては、本当はいけないですね。かえって、変えて悪くなる人があります。よくありますからね。山田耕作が病気しているんですが、草冠をつけたから、私は嫌な事をするなと思っていた。あれから間もなくですからね。悪いですね。耕すと書いて草が生えたら何うにもならない。田んぼを耕作するにも、草が生えたら何うにもならない。姓名判断なんか知らないですからね。姓名判断では、熊崎健翁と言う、翁(おきな)と言う字をつけているが、悪いですね。活動ができないですね。隠居でもする様になる。
《お伺い》ある信者で御座いますが、昨年の四月三日から、今年は四月四日からいま時分迄、竃(かまど)の付近とか鶏小屋の付近を通りますと、必ずお線香の匂いがするそうで御座いますが。
《御垂示》霊界がそうなっている。霊界でお線香を焚いている。と言うのは、そこに死人が居る。死霊がいるんです。よほど鼻が敏感なんですね。
名前について、この間もある人に話したが、名前が良過ぎて悪い事が多いです。
つまり、名前と言うのは、その人の霊に相応するんです。名前が良過ぎては、かえって合わない。例えてみれば「天」の字を書くと、きっと駄目になる。「天」と言うのは非常に位があるんです。天皇なんか「天」だが、普通人が「天」の字をつけると良過ぎる訳ですね。隔りがない。我々は地上でやっているのだからね。天上界でやっているのではない。「天」の字はきっと悪くなる。
それから「大」の字が悪いですね。「大」の字は非常に位がある。「大」は一人と書く。神御一人(かみごいちにん)とかね。主神、天皇、主脳者とか、上の位の者につける。普通人民にはつけない。かえって、出世する人で名前の悪い、つまらない――値打ちのないものがありますが、それはその人の御魂に合っているから、それで良い訳ですね。
《お伺い》石田朝子と言うのは。
《御垂示》いずれ変えた方が良いですね。「石田」と言うのは「ア」行ですからね。「朝」は「ア」です。すると「ア」行は火になりますから、上が火なら下は水にならなければならない。「石田」は火ですからね。とにかく余り良くないですね。名前をつけるのに、大体あらかじめ知って置く必要があるね。「ア」行は天ですから、下は地になる。地と言うのは水に関係したものを入れるんですね。
いまの「イ」と言うのは「人」という字です。この「イ」を人偏と言いますね。これ「ノ」が天になり、これ「〵」が地になる。半分になる。言霊の霊(たま)返しで直ぐ分かる。「岡田」と言うと、「ダ」――「ア」ですね。これが全部を支配する「オ」ではない。「茂吉」は「ミ」になりますから、「岡田茂吉」と言うのは、霊返しで「アミ」になる。「中島」と言うのは、一番頭は「ア」でしょう「キセ」と言うのは「ケ」になる。それを知って置かなければね。そう言う風になっている人は、やっぱり違いますよ。人間が利口だとか、出世するとかね。それから「マミムメモ」の音が入っているのは、物質に困らない。それで「巳」の年――「巳」と言うのは蛇ですからね。これは非常に物質的です。それから、何時も言う通り「サシスセソ」の音が入っている人は、自分の意志を通そうと言うんです。それから、名前に「マミムメモ」が入っているのは女性的なんです。それから、苗字も離れ離れになっていては駄目です。それから、読んでスラスラとしているんですね。小学校時代に、谷山龍飛と言う随分面白いのがありましたが、死んじゃいました。
《お伺い》下に「一」の字がついたのはいけないのでしょうか。
《御垂示》そんな事はありません。
私がつける名前はちゃんと意味があります。熱海は瑞雲郷と言うでしょう。「瑞」は「水」です。月の水で、熱海は「月の都」ですからね。あっちは、神仙郷――日光殿と言う、火と水になっている。やはり相応しなければならない。