※無肥料栽培 御垂示録1号 昭和二十六年八月五日 ①

    八月五日    (本日に限り速記に依らず)
《お伺い》  自然農法の場合、苗田を作ります時、その直前に小さく切った藁を入れておくのと、冬の間に入れて置くのは、どちらが宜敷いでしょうか。

《御垂示》冬の間に入れて置く方が良い。堆肥は早く入れて置く方が良い

《お伺い》 蘖(ひこばえ)は土用の間だけすると言われておりますが。

《御垂示》大体そうです。然しそうばかりとは限らない。化学肥料の悪い事はアメリカで大いに研究されている。いずれ自然農法に関した本が出来るだろう。日本人は西洋人の言った事は信ずるが、日本人の言った事は信用しない傾向がある。

《お伺い》自然農法に関して、松井誠勲氏の言うには「西洋では実験して、はじめて知ったが、明主様は実験せずして御存知」とね。

《御垂示》肥料は体内に入ると毒素になる。日本の場合は糞小便の肥料が体内に入ると、薬毒程ではないが、やはり毒になる。

《お伺い》除草の際、土用過ぎになると根をけずるのはいけないと、又二百十日の際に倒伏すると言われておりますが、自然農法の場合は、如何で御座居ましょうか。

《御垂示》除草は問題ではない。良いと思う時にすればいい。無肥料になると草の生え方が違う。米の生長する力が強くなるから雑草の生える力が弱くなる。神様は人間の生命を保つものには、強い力を与えている。故に無肥料になると除草が楽になる。

《お伺い》幼穂(ようすい)形成される時期に田の水を引いて分蘖(ぶんけつ)を抑えるのは如何で御座居ましょうか。

《御垂示》そんな事はしない方が良い。水は多くする。一番良い事は最も手数のかからぬ様にする。子供でもそうです。

《お伺い》籾播き(苗代を作らず直接田に播く方法)は分蘖も多く、収入も多い様で御座居ますが如何で御座居ましょうか。

《御垂示》結構です。世話がかからなくて良い。

《お伺い》男稲、女稲と区別が御座居ますが。

《御垂示》 そうです。全てのものに陰陽がある。

《お伺い》籾播きの時、籾を取って播いて宜敷いでしょうか。

《御垂示》籾を取って播いても良い。籾は食べないから。

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