《お伺い》 「痛みは全て薬毒だとお教え頂いて居りますが、母親が三年間無医薬で出来た子ですが、痛みが出ますのは然毒で御座居ましょうか」
《御垂示》之は然毒でなくて薬毒です。然毒が薬毒だから、之は古いんだから、かゆいんで す。痛いのではなくて、かゆい方です。
《お伺い》 「一代位では取れませんで御座居ましょうか」
《御垂示》 然毒は一代位では駄目です。数代ですね。天然痘は、古いのは極くかゆいんです。 新しいのは、かゆいのと痛いのです。
《お伺い》「種痘致しませんと、天然痘の様に出て参りませんでしょうか」
《御垂示》 必ず、とは言えません。少ないのと、多いのとあるから、
《お伺い》「疥癬が済んで居りますのは――」
《御垂示》 疥癬が然毒ですから、済んでるのは出ませんよ。疥癬のひどいのは天然痘の様ですから。
《お伺い》 「地上天国の幻燈をお写しになられましたが、あれをお借り致しまして、他の無肥料の写真、十国峠の景色と一緒に写しました処、地上天国のを写させて頂きますと、観音様のお姿が拝されたと言うので御座居ます。他の無肥料や十国峠の景色には見えないそうです」
《御垂示》不思議はないですがね。だから、全然気分が違いますね。