*経と緯 御教え集3号 昭和26年10月21日④

 【御 教 え】
 ちょっと話して置きますが、私が何時も言う通り、経と緯ですね。これが、やっぱり色々な事に現われているんで、これは私の本にも書いてある通り、大きく世界をみると、今迄の東洋文化と西洋文化ですね。東洋文化は経で、西洋文化は緯ですね。経は、霊的――精神的で、緯は物質的――現代の科学ですね。そう言う様な具合で、世界と言うものは、最初経の東洋文化で失敗し、それから今度は緯の西洋文化で失敗した。私が現代の文明と言うのは、そう言う訳ですね。それで、経と緯の両方を結んだものが伊都能売です。経にあらず、緯にあらず、これは始終言っている事です。そうすると教団もそうなっている。最初天国会が経でいった。それで、天国会の中島さんがああなった訳で、結局失敗に終わった。その次の五六七会が緯の働きですから非常に発展した。殆んど教団を背負って立つ位に発展したが。これも結局渋井さんが病気になり、色んな事件が起ったりして、失敗に終った。そうすると今度は伊都能売にならなければならない。ちょうど、その時期が来た。渋井さんの病気も殆んど治って、試験的に、今度京都の方に行ってやってみると、立派に働ける事ができる迄に、立派になった。そうすると、随分一頃信者をつくった。十何万かつくったですが、それが渋井さんの病気の為や、色んな為に堅(かた)まらないで、要するに未だ「なまこ」みたいな――堅い様な軟らかい様な――ふわふわですね。そう言う信者がかなりいる。それで、渋井さんとしては、そう言う信者をちゃんと生かしてやる事が一番手取り早くて良いと言う様な訳で、そう言う方針で、之から大いにやる事になった。と言うのは、去年の事件以来、この教団の組織を改めて、今日迄やったと言う事は、こんなに緯になると言うか、ただ拡がりっぱなしになっていたのをキユッと縮めて、一旦経で締めたんですね。今度は、経と緯を結ばなければならない。それが今度渋井さんが、そうやろうと言う状態になったのがそれなんです。経と緯を結ぼうと言うんです。今度は緯が活動されると、はじめて経、緯になる。

 以前は天国会と五六七会が対立していた。両方が一致しないで、一種の競争的であった。これも神様の御経綸なんです。競争させると言うのは、大いに発展させる刺激になりますからね。あの当時急激に発展させる為に旨いやり方をされた。それだけでは本当のものではないから、結ばなければならないと言う事は、之からなんです。そこで、今の経の堅実なやり方ですね。今度は緯の軟らかい水の当たりで広がるのと両方になる。その結果としては、天国会の系統の人のやり方は、つまり緯が足りなかった。それから五六七会のやり方は経が足りなかった。今度は両方が、そこで結合密着して伊都能売の働きになる。それが之からです。やはり、神様の大きな経綸なんです。だから、人によっては、天国会のああ言った堅苦しいやり方ではいけない。と言う人もあり、五六七会はただ拡げる一方で、だらしがないと言う事を、暗に私に注意めいた事を言った事がありましたが、それはそれで良いと言う事はないが、それをやらなければ、どうしても経綸がいかない。世界が、東洋文明が一時発展して、次に西洋文明が発展している。西洋文明の乱熟期になっている。それで、両方相一致した結びの文明――伊都能売の文明ができるんです。つまり、メシヤ教はその型をやるんですね。大本教のお筆先にある「大本は世界の型であるから、この中を見ておれば、世界の事はどうなるか分かるぞよ」と言う事は、私は良くみてましたから、よく分かる。大本教の最後の弾圧が昭和十年十二月八日で、それから六年目の十二月八日に、日本が太平洋戦争を始めた。ちょうど六年先の同月同日になる。ここに神様の経綸が非常にある。やっぱり、五六七になる訳ですね。三が二つで五六七になりますから、やはり五六七の経綸です。そう言う様な色んな事がありますが、大本は、つまりメシヤ教の準備ですね。準備の為に現われたんですね。それだからして、今度私の方――メシヤ教がやる事がやがて世界に写る訳です。これが大きな、神様の経綸と言うのは、そう言う意味もあるんです。ですから、人間が、ああだこうだと、平気で批評なんか決して出来るものではない。お筆先に「神界が分からないと思う人は分かりたるのであるぞよ」とある。分かったと言うのは、分からない。分からないと言のは、分かったと言う意味ですね。それからまた、お筆先にこうある「神の奥に神があり、その奥に奥のある仕組であるぞよ」と言うのがあるが、旨く言ってある。そう言う訳で、神様の御経綸は深いんですからね。段々時日が経つに従って分かります。あれは、あれで良いんだ。あれが、この準備だとね。ただ上っ面をみて、ああだこうだと言うのは、上っ面の――ただ上(うわ)の上(うわ)です。こう言う事を話していると切りがないが、そう言う訳ですから、皆さんも、之からの教団の動きを見て行くと良く分かるはずです。

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