【体験談Mr.Right】№24「御先祖様は神主ですか?」そして「私の前世」

 今回は、霊感の強いSさんと、霊能者T氏の話をさせていただきます。

 平成28年(2016年)の10月末か11月の頃で、年末まではもう少しという頃だったと思います。箱根事務所下の信者休憩所の一角に設けられた浄霊室で、いつものようにSさんにご浄霊のお取り次ぎをさせていただいていました。すると突然、Sさんが「先生のご先祖様は、神主ですか。」と聞いてきました。私は、「いいえ、それはないと思います。聞いたこともないですよ。」と答えました。「それでは、先生の前世でしょうか。白装束に身を包んだ方が見えます。とても立派で威厳のある方です。でも、どこか寂しそうな感じがします。」と言いました。私は、「そうですか。」とだけ答えて、ご浄霊を続けました。心の中では、私は、威厳の間にイカが入るような人間ですよ、と思っていました。つまり、イゲンのイとゲの間にイカを入れると、イイカゲンとなります。丁度いい加減ならいいのですが、私はどうもそうではないように感じています。

(彼女は、「先生」とは言わず、私の苗字で話していましたが、この体験記の中では名前を伏せていますので、全く偉くはないですが便宜上「先生」と表現させていただきました。以下も同様です。)

 ただ、威厳はともかく、神主のようにみえる白装束の人が、私のご先祖様なのか、私の前世なのか。それ以降は、どっちなのだろうかと気になっていました。もしもご先祖様なら、威厳に満ちた白装束姿で、いつも見守って下さっていたのかも知れないという感謝の思いが、髣髴として湧いてきます。それが、もし私の前世だとしたら、いったいいつの時代に、どこで、どのような立場で、何をしていたのだろうという疑問が湧いてきます。しかしそれを知るすべがありませんので、そのまま放置しておきました。

 その後のある日のこと、浄霊室でSさんにご浄霊のお取り次ぎをしていた時のことです。彼女が、「わあー、ものすごいお光りだ。いま光明神殿からものすごいお光りが先生の体の中に入って、その光が先生の手から私の中に入ってきました。」と言いました。私は、「そうなんですか。」と素っ気のない返事をしたように記憶しています。彼女は、「こんなお光を見たのは初めてです。それにしてもものすごいお光りでした。やはり、光明神殿は世界の中心なんですね。ご浄霊のお光りは、光明神殿から来るということなんですね。そのことを教えてくれたんですね。家でご参拝している時も、光明神殿からご神体にお光りが来るということなんでしょうね。本当にびっくりしました。稲妻のようなものすごい光が、先生の体に入ったんですが大丈夫ですか?」と続けざまに言いました。私は、霊的感性が鈍い人間ですから、何も感じませんでしたので、「何ともないですよ。」と答えました。

 この日のSさんの霊的体験は、さまざまな示唆を与えてくれました。過去の光明台は、神殿があって参拝席は石畳でした。教団紛争の中で、再建派が箱根に結集することになり、テントを張って仮光明会館と名付けましたが、あくまでも仮の施設でした。そして今、耐久年数の過ぎたテントを解体して、新たな会館を建設していますが、完成図を見ると、明主様のご構想とは全く違うようです。それでも明主様は、世界の霊的中心である光明台でご経綸を進めておられると、素直に思うことができる体験でした。もしかしたら、光明神殿も仮なのかも知れません。神界においてメシヤとしての働きをされている明主様は、現界においては光明台を中心として偉大で強烈な御光りを発して、日々の世界経綸を進めておられると思えます。その意味では、ご構想通りの光明会館の建設が、一日も早く許されることが待ち望まれてなりません。

 また、ご浄霊をお取り次ぎする人のお光り(お守り)にも、各家庭でお祀りが許さている御神体にも、明主様のお光りは光明神殿(光明台)から発せられているのかなという点が、とても重要だと思っています。よく「明主様直結」ということを言う人がいますが、その御光は一体どこから来るのか。明主様のご在世当時は、普通に明主様から発せられていたと理解ができます。それでは、ご昇天後はどうかという問題です。明主様は、「霊界から出しますから同じことです。」と仰っていますが、やはり現界においては、光明台にお座りになっておられるのではないかと思っている次第です。その他にも、いろいろと考えさせられ、気づいたことがありましたが、その点は、読者の皆さんも考えていただけたら有難いと思います。そうすることで、この霊的体験を共有することができるのかなと思います。

 またある日に、Sさんへのご浄霊を終わった際に、「昭和25年12月23日の御生誕祭の御讃歌をお持ちですか?」と言われ、私は、ハッとしました。私が生まれる前のことで、持っていませんでしたし、恥ずかしながら知ってもいませんでした。私が、「持っていません。」と正直に答えると、彼女は、「今度、持って来ますね。」と言って、大晦日の日に見せて下さいました。私は、その三首のお歌を見て大きな衝撃を受け、コピーをさせてほしいとお願いしていただくことにしました。考えてみれば、昭和25年はご神業上とても重要な節目の年でした。2月に世界救世(メシヤ)教を発会され、5月には法難事件が勃発し、6月に神人合一となられた年でした。また教団としては、大きな組織改革が行われた年でもありました。組織改革と言えば聞こえはいいですが、平たく言えば、ミロク会系の追放という一言に尽きます。そのような激動の年の御生誕祭に奉唱された御讃歌について知らないとは、専従者として何と恥ずかしいことだろう。今までそのことに気づかなかったとは何とイイカゲンな専従者なのかと、大いに反省しました。

 この時は、三首のお歌を拝見して、そのような思いになっただけでしたが、退職してから数年経った頃に、先輩教師の方から、その三首のお歌が含まれた十八首のお歌の写しを頂戴いたしました。しかも毛筆で書かれたものでした。私は、先輩が入手した経緯からしても、明主様直筆のお歌ではないかと思っています。私は、この十八首のお歌のことについても知りませんでした。その意味では、教団には隠された史実がいくつもあるのだろうと感じています。

 更に年が明けてから、いつも通りにSさんにご浄霊をお取り次ぎさせていただいたあとに、「少しですが、これを差し上げます。」と言って下さったのが、水晶殿の改修工事が行われた時に、基礎の下から出てきた砂だということです。何故、Sさんがその砂を持っているのか分かりませんが、誰かご縁の深い方から頂戴したものでしょう。またSさんは、「昔、戦に向かう武将は、神社やお寺の砂をお守りとして身に着けて、戦場に赴いたと聞いています。先生もこれから戦いの世界に身を置くようになると思いますので、メシヤとなられた明主様が一夜を過ごした水晶殿の砂を、どうぞお持ちください。」と言って、紙に包んだ砂を下さいました。この時期に特に集中したSさんの霊的発言や振る舞いは、何とも不思議でなりません。私に、何かを気づかせようと、明主様がSさんを使って導いて下さったかのように思います。

 少し横道に反れますが、S機関に出向して、Yさん宅に居候していた時のことですが、Yさんから「お前は、猿田彦だ。」と言われたことがありました。続けて「お前は、伊勢神宮に参拝したことがあるか。」と聞かれて、私は「ありません。」と答えました。Yさんは、「伊勢神宮には参拝の順序がある。先ず外宮を参拝して、内宮に行く前に、猿田彦神社に参拝してから、内宮に参拝するというのが、正式な順序だ。猿田彦神社が内宮の目の前にあるというのが、そういう意味だ。猿田彦は天照大神に会いたいという人を案内する役目で、内宮の目の前にいるんだ。」更に「お前は今、おばさんの(三代教主様のこと)警護をしているだろう。警護とは、守るだけじゃない。おばさんに会いたいという人を選別して、会わせてもいい人を案内する役目でもある。そういう意味で猿田彦だ。よく覚えておけ。」と言われました。

 それから何年か経ってから、Yさんから「お前は、土蜘蛛かも知れない。」と言われたことがありました。どうも権力に服従しないという意味で言っていたように思いますが、正確には記憶していません。いづれにしても、私の前世と関係があるような言い方だったように思います。Sさんが言った、白装束の神主といい、猿田彦といい、土蜘蛛といい、一体全体私という人間は、どのような因縁の中で現代に生まれ、明主様とのご神縁を結んでいただいたのだろうと不思議に思うことがありました。

 そして、それの答えともいうべき出来事がありました。それは退職してから1年半くらいしてからのことです。S機関のS氏の奥様に、時々ご浄霊をお取り次ぎさせていただいていましたが、ある時にS機関にお世話になっていた30年くらい前の懐かしい名前が出てきたので、会ってみたいですねと言ったところ、その内に一緒に訪ねてみましょうかということになりました。

 そして、2019年(令和元年)4月16日に、二人で大阪の知人宅を訪問させていただきました。そこには、事前の知らせがなかったのですが、富山県に住む霊能者T氏がいました。彼は、「私は、出口王仁三郎の遺志を継いでいる者だ。」と言って、日本のみならず世界中で神事を行ってきたということでしたが、初対面の人にそう言われても戸惑うばかりでした。二階で神事が行われることになりました。

 T氏は、私に正対して何やら呪文のようなものを唱えて、しばらく霊交信をしているようでした。時間にして2~3分か4~5分くらいだったと思います。私は、初めて会う霊能者が何をしているのか理解できず、緊張していたのだと思います。霊交信を終えたT氏は、「今、何か感じましたか?」と聞きましたが、私は少し間を置いてから「何も感じませんでした。」と正直に答えました。隣にいたS夫人は、「背中の方から風のようなものを感じて、何かが体の中に入ってきたのを感じました。」と答えていました。T氏はS夫人に対して「あなたは感度が良いですね。」と言いながら、何も感じなかった私に、少し不満そうな感じでしたが、「中には何も感じない人もいる。それはそれで構わないことだ。」と言っていました。

 続いてT氏は、「あなたの前世は、ある国の神官をされていた。しかも階級はトップの座におった。ただ、その時の王様は、酒色におぼれてまつりごとを顧みないような人であった。そのような時に、神様からあなたにお告げが下った。あなたは、王様に対して忖度することなく、神様のお告げをそのまま伝えた。普通であれば忖度するのが当たり前だと思うが、あなたは覚悟をもって直言をされた。王様は、大変怒って、あなたを殺そうと思ったが、多くの人からの信頼が厚かったあなたは死を免れ、その代わりに遠くへ飛ばされて孤独な生涯を送ることになった。しかし、あなたは立派であった。よく忖度することなく直言をなさった。普通の人間には出来ないことである。」そして、「今あなたの生宮にはヤーベ(ヤハウェ)が宿っている。生宮にヤーベが宿っている人は中々いない。あなたは、生宮に宿っているヤーベを拝みなさい。つまり、あなた自身を拝みなさい。」というようなことを言われました。

 この時は、T氏の何とも不思議な雰囲気に圧倒されて、いろいろ質問することもできませんでした。でも、T氏の言ったことに、どことなく納得している自分がいました。T氏のことについては、もう一度体験談に書くつもりでいますが、今回は、Sさんが「ご先祖様は、神主ですか?」と聞いてきたことと、T氏が「あなたの前世は、ある国の神官をされていた。」ということが、微妙に符号が合うような気がして書かせていただいた次第です。Sさんは、白装束に身を包んだ人を神主という言い方をしましたが、神官だったのかも知れません。また、Sさんが「どこか寂しそうな感じがする。」と言ったことと、T氏が「孤独な生涯を送った。」ということも、私の前世について、同じようなことを言ったことが不思議でなりません。霊感の強い人とか霊能者という人は、すごいなあと感心した事例でした。いづれにしても、私は前世のどこかにおいて、神様にお仕えする立場にあったということでしょう。

普通、余程の人でない限り、自分の前世について分かるという人はいないでしょう。先祖の罪穢れとか、前世の罪穢れとか言われて、それが今の自分や家族の浄化にどのように関係しているのかと思うと、どんな前世だったのか、どのようなご先祖様がいたのかなど、気になってしまうのが当たり前です。また知りたいと思っても分からないのが普通ですから、気に病むことはないと思います。私の場合も、何度かの輪廻転生の中での一つの前世を知らされただけで、他の時代の前世については闇の中です。恐らく、霊的な存在の何者かが、象徴的な前世として私に伝えたかったのかも知れません。従って、このような問題は、必要があれば知らせていただけるということかなと思っています。

 大事なことは、どのような前世であったとしても、救世主明主様とのご神縁を現代に結んでいただいたという事実ではないでしょうか。人それぞれ様々なケースがあるでしょうが、明主様とご神縁を結んでいただき、明主様のことを救世主(メシヤ)だと信じているというならば、どのように行動していけばいいのか。そのことが最も大事ではないかと思っています。

 世の中には、明主様に繋がる宗教、団体が大小合わせて30余りあると言われていますが、「万教帰一」と言われた明主様のお言葉を胸に、「最後の審判」を迎える時に、自分はどのように行動すべきかを心静かに考える時間を持ってみるのもいいのではないでしょうか。きっと、気づかされること、知らされることがあるのではないでしょうか。

 救世主である明主様は、世界の霊的中心である光明台から、稲妻のようなものすごい光を、信じる人の魂に向けて、役立つ人の魂に向けて、放射していると思います。あとは、受け止める側の私たちの問題で、その鍵は「誠」だと思っています。誠があれば、知らず知らずのうちに動かされ働かされて、後から気づくということもあるのではないでしょうか。

           by Mr.Right

タイトルとURLをコピーしました