祖霊の戒告 (天国の福音 昭和二十二年二月五日)

本来祖霊はわが子孫に対し、幸福であり家系が栄える事を願望しつつある結果、その目的に背馳(はいち)する所の原因である過誤や罪悪を子孫に行わしめざるよう、邪道に踏入らぬよう不断の警戒を怠らないのである。したがってその子孫がたまたま悪魔に魅入られ不善を行う時、それを戒告する為と、すでに犯した罪穢の払拭とを兼ね行うが、その手段として種々の災厄病気等を与える。譬(たと)えば不正な富を重ねたものは火災や損失を与えて消滅させ、罪穢によっては病気の浄化作用も行うのである。

その現れとしてこういう事がある。それは幼児または小児が感冒のごとき浄化作用に罹るとする。本医術によれば、普通の感冒ならば簡単に治癒すべきであるのに余り効果が なく、特に頻繁なる嘔吐発生し、食欲も全然なく短時日に衰弱死に到るので不思議に思う事がある。これは全く右のごとき祖霊の戒告であって、その原因としては父親が夫婦の道に外れ他の婦人に関係するとか、二号を置くとかいう事によるのである。そうして一度戒告してもそれに気付かざる場合、次々子女の生命を奪う事がある。これをもってみても一時的享楽の為大切な子女を犠牲にするというのであるから、大いに慎しまなければならない。かような場合、祖霊としては一家の主人である本人を犠牲にする事は忍びない為、やむを得ず子女を身代りとするのである。

またこういう例があった。それはある家庭で、現戸主である四十歳位の男、仏壇に向って掌を合わした事がないので、その娘が心配し、右の戸主の弟と相談の上、弟の家に移したのである。しかるに程経て弟は将来の事を慮(おもんぱか)り、兄の家に赴(おもむ)き、祖先伝来の仏壇を弟に確かに移譲したという書付を書いてくれと言った。兄は承諾し、筆を執って紙に書こうとする刹那、突如その手が痙攣を起し、舌が吊り、書く事も話もできなくなった。それから種々の療法を試みたが治らない。で終に私の弟子の所へ治療を求めに来、その際右の娘が語ったのを私は弟子から聞いた事がある。これは全く祖霊が正統である兄の家から、一時的ならいいが永久に離れるという事は承知ができなかったからである。何となればその結果は家系が紊(みだ)れ、家系が紊るれば家が断絶する憂が生ずるからである。

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