大光明世界の建設 「宗教と科学」(病貧争絶無の世界を造る観音運動とは何? 昭和十年九月十五日)

今日迄、宗教と科学は全然反対の立場になっていたが、これは間違っていた。近き将来において、宗教と科学は、結合一致すべき運命にあるのである。それは、科学の進歩は結局神の実在を認識する迄になるからである。

それについて、最近における、二つの顕著なる発見を見逃す事はできない。その一つは、物質原素極まりなき究明であって、彼の陽電子一個を中心に、八個の陰電子が 周囲を回転し、一個の原素細胞を形成するという所迄の発見であったのが、最近に到ってはなおも進んで、顕微鏡の発達は一億万分の三ミリ位迄の極微に達したのである。それは、電子よりも極微なる、陰子の発見に迄及んだのであって陽子の発見も時日の問題と迄なって来たのである。

今一つは、トーキーの進歩である。それは音(おん)の原子が、種々の形と色をなして躍動するのが、無数に画面に映るのである。お玉杓子(たまじゃくし)のごときあり、棒状があり、円形、輪形等いろいろの形があるのみならず、それ等に各々黄、紫、赤、青等の色と、それぞれの光りを有しているという事である。それが楽(がく)のリズムの変化によって、種々の躍動をするというのである。寔(まこと)に驚くべき事である。

 神霊は光りと熱である。故に、その神の光りを科学によって証明さるるのは、今一歩という所迄来ている、人の精霊や、病原としての曇り、それが治癒されてゆく神の光りの活動が科学によって証明されたなら、ここに初めて宗教も科学も合一して完全なる学問が生れるであろう、そうしてその真使命は、人類に対し、新しい光明を与える事になるであろう。

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