大光明世界の建設 「救主と贖罪主」(病貧争絶無の世界を造る観音運動とは何? 昭和十年九月十五日)

 世間往々、救主(すくいぬし)と贖罪主(しょくざいしゅ)とを混同している。然し、実際は、天と地程の相違がある。

 贖罪主とは、罪の贖(あがな)い主(ぬし)である。彼のナザレの聖者イエスが、世界万民の、罪の贖いの為に、十字架にかかったのは之であった。之こそ、大いなる贖罪主であった、贖罪とは、罪人の代理又は代表者となって主神に対し奉り、罪の赦しを乞うのである。故に、言い換えれば、謝罪主であり、赦される側である。

 それに引替え、救主とは、贖罪者が、赦しを乞うのに対し、其罪を赦す権威者である。然し、今日迄、贖罪者としては、大小幾人もの聖者が出たが、未(いま)だ、赦し主たる、救主は、出現されなかったのである。其点を充分識っておかなければならない。

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