憐むべき現代人 (光44号 昭和25年1月7日)

 今蜜柑が出盛でさかっているので大抵な人は喰うであろうが、之について注意すべき事がある、それは医学では蜜柑は実よりも皮の方が栄養があるとしている、即ち皮にはビタミンのA、B、Cが全部含まれているからといって推奨するのであるが、之等も実に間違っている、全く学理に捉われた自然無視の謬説びゅうせつである、何となれば皮はよりも不味まずいのは何を物語っているのであろうか、全く皮は喰う物ではない事を神が示しているのであるから実を食うのが本当だ、とすれば実に結構な話ではないか、こんな判り切った事まで判らなくなった医学の逆進歩には困ったものである。

 又医学が言う処の、の骨にはカルシュウムがあるから食えというのと同様で、わざわざ不味まずくて人間の歯では噛めないようなものを食えというのは人間を猫と同様に扱う訳で、現代人は実に憐れむべきである

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