【体験談Mr.Right】№4 明主様の呼び鈴

 今回は、私たち夫婦が、Yさん宅を訪問した際の、不思議な出来事の話をさせていただきます。

 Yさんは、世界救世教の三代教主様の運転手を長年していた方です。お父様は、明主様の運転手をされていました。つまり親子で、明主様と三代様の運転手をされたという、非常に珍しい経歴の持ち主です。

 Yさんには、私がS機関に在籍中に、隠密で三代様の警護のために、Yさんが運転するベンツの後ろを、三代様に気づかれないように追走するという中で、大変お世話になりました。その後、警備会社に出向になって、表に出て正々堂々と警護をするようになっても、本当にお世話になりました。更には、MOAの会長だった川合氏の運転手兼ボディーガードをするようになっても、運転手仲間としてとても親切に接してくれました。業務中は、待機の合間にちょっとした話をする程度でしたが、本当に有難い存在でした。

 そのYさんが退職した際に、「一度、我が家で酒でも飲みませんか。できれば奥さんもご一緒に。」というお誘いをいただきました。酒好きの私としては断る理由もなく、妻には事後報告で二つ返事をさせていただき、訪問させていただくことにしました。

 訪問して先ず御神前で御参拝をさせていただきましたが、すぐに居間へ案内されました。テーブルには、段取りよくすでに沢山の料理が並べられていて、早速ビールで乾杯というように、よどみなく宴会に突入しました。奥様の手料理に舌鼓を打ちながら、続いて出された熱燗で、お互いにお酌し合いながら、思い出話に花を咲かせ、気分は上々、ほろ酔い加減になりました。

 そんなころに、おもむろに「お見せしたいものがある。」といって、御神前のとなりの部屋に案内されました。そこで見せていただいたのは、明主様がお使いになっておられた草履や足袋、それに浴衣や帯などでした。そのようなお宝を、見せていただくだけでも勿体ないのに、直接触れさせてもくれました。妻は、草履を触らせていただいて、「温かいですね。今まで履いていたみたいですね。」と驚いていましたが、私には、その温かさが分かりませんでした。イルカの干し肉などの珍しいおつまみなどに、相当に酒量がすすみ、私の手の方が温かったように思います。

 一通りお宝を拝見させていただいて、他のものは次回にということで、居間に戻って酒宴は再開されました。考えてみれば、お父様は、明主様の運転手をされていたのですから、そのようなお宝を持っていたとしてもおかしくはありません。うらやましいなという気持ちも手伝って、お互いのお酌のペースも上がり、ますますいい気分になっていきました。

 そんな時だと思います。奥様が「奥さんちょっと来て。」といって妻を手招きしました。妻が奥様の後を付いていき、しばらくして、Yさんと私のところへ戻ってきた時には、とてもビックリした表情でした。奥様の手には呼び鈴がありました。受付などに置かれていて、押すとリンと音のするものです。

 奥様は、「リンリンリンと音がするので、行ってみたらタンスの中で、これが鳴っていた。」といい、妻も「後ろを付いていく途中から、ジリジリジリジリと音がするので、目覚まし時計が鳴っているのかと思いながら、タンスの中の箱の中で鳴っていた呼び鈴を見て、ビックリした。」といいました。私はというと、おいしいお酒と肴と想い出話に、相当にいい気分になっていて、呼び鈴の音には全く気づきませんでしたし、奥様が持参した時には、音は鳴り止んでいました。

 そして奥様は、「こんなことは初めて。あなた、この人は明主様がお呼びになっている人ですよ。」と少し興奮気味でいったようですが、Yさんと私は、すでに天国気分になっていたので、あまり覚えていませんでした。

 翌日、二日酔い状態の私に、妻が「昨夜のことを覚えている?」といいましたが、イルカの干し肉が美味しかったことくらいしか思い浮かびません。妻から詳細を聞いて、そう言えばそういうことがあったなとうっすらと思い出しました。私の悪い癖で、酔っぱらって寝た時に、前日のことをほとんど覚えていないことがあります。

 その呼び鈴というのは、明主様が用事のあるときに、側近奉仕者を呼ぶために使用していたものだったようです。箱の中には、他にも小物があったようですが、何があったのか妻もそこまでは確認していなかったようです。

 しかし、不思議です。誰も押していないのに、しかも箱の中に入っているのに、なぜ音がしたのでしょうか。物理的にも、常識的にも考えられないことだと思います。奥様が「こんなことは初めて。」といったのは、Yさん宅には、お宝を見せていただきたくて、いろいろな人が訪問していたようですが、箱の中で呼び鈴が鳴るという超常現象は「初めて」ということでしょう。

 奥様がいうように、こんな考えられないことが初めてだとすれば、明主様は私にどんな用があったのだろうか。しかも、妻がいうように、ジリジリジリと目覚まし時計が鳴っているような音で、連続して呼ばれるということは、相当に緊急的なことなのか、あるいは重大なことなのか。いろいろ考えてみましたが、当時もさっぱり分からなかったし、今もって分かってはいません。

 ただ、この不思議な出来事の前後にも、明主様の夢を見たことがあります。その内容については、別の機会に譲るとして、今になって思えば、思い当たる節があります。それは、私の人生を振り返った時に、普通の専従者では経験したことのないだろうと思うようなことをいろいろ経験させていただきました。それらの貴重な経験の全ては、今私がやっていること、そしてこれからやろうとしていることのために、明主者がお導きして下さったのではないと思っています。

 つまり、「生涯明主様の専従者(側近奉仕者)」と思ってきた私を呼ばれたのは、「この教団紛争の中で、君は○○をやりなさい。その為にいろいろな経験をさせたのだからね。」とおっしゃりたかったのではないかと思います。そのために、「決して!忘れるなよ!」という強いメッセージを、物理的に考えられない現象を通して、霊的な感性の乏しくいい加減な私に対して、しっかりと意識の中に刻み込んでくれたものだと思います。

 あの超常現象は、時々思い出すことがありますが、やっぱり明主様が鳴らしたのだろうと思います。それしか考えられないのですが、もしかしたら私ではなく、妻に用事があって鳴らしたとは考えられないだろうかと思う時もあります。妻には、その意識は全くありませんが・・・。

 とにかく、実際にあった、有り得ないような体験です。         
                     by Mr.Right

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