下記報告について解説してみるが、人間の寿命は大体決っているものと、昔から言われているが、この人も寿命が来たので、一旦死んで霊界へ往ったが、信仰の御蔭によって天国迄行かれ、天国の状態を見せて貰ったが、本人の信仰と周囲の人達の誠により、神様から一命を賜わったのである。こういう例は本教信者にはよくあるが、之によってみても、本教主宰神は、生命を自由自在になされる御力を、有たれ給う事がよく分るのである。尤も他の宗教にもないではないが、本教程顕著な救いの御力は、勿論あり得ないのである。
有難うございます
『栄光』142号、昭和27(1952)年2月6日発行
秋田県 K.S (26)
明主様、貴い御守護を頂きました御礼の御報告を申し上げさせて頂きます。
私は昭和二十六年六月入信させて頂き、七月には箱根別院に御参拝させて頂きました。その後軽い御浄化を頂き、その度毎に元気にならせて頂いておりました。
昨年九月四日大館市におきまして、O管長先生始め、S、M両先生をお迎えしまして講演会が開かれました。その時の事でございます。講演会が半ば進みました頃、急に動悸が激しくなり、呼吸が苦しくなってきたので、自分で心臓部を御浄霊し、一心にお念じしておりますと、暫くして動悸も静まり楽にさせて頂きました。それからお話が終りまして(四時頃)帰ろうとして駅へ急ぎ乗車致しました。扇田、大滝を過ぎ十二所町との中間頃に差しかかったときに、座席を立って、デッキのところに出て外を眺めて、又もとの席に戻りましたところ、突然、目の前が真暗になり、そのまま倒れてしまいました。もしデッキヘ出た時倒れていたらどうなったことでしょうか、本当に御守護でございました。私の倒れた時の皆さんの御心配はどんなだったでしょうか。
でもそんな事は夢にも知らない私は、皆さんの御心配を尻目に、御伽噺の国のようなところに参りました。現界ではとうてい見る事のできない、それはそれはとってもきれいな美しい世界を歩いておりました。見渡す限り山もなく川もなく、煌々と輝くばかりの明るさです。色とりどりの花があたり一面にぎっしりと咲き盛り、どこからともなく美しい小鳥の声が聞こえ、言葉にも筆にも現せない程の美しさでした。美しい花の色も、妙なる小鳥の声も、現界では見た事も聞いた事もなかったのです。
その美しい花園を歩いておりますと、見知らぬ人が四、五人出てきましたが、無言で行ってしまいました。なお恍惚として歩いておりますと、遠い遠いところで誰かが呼ぶような気がして、前へ進むことができなくなりました。だんだん呼ぶ声が近くなってきて、はっと我に帰りました。いそいであたりを見まわしますと、信者さん達が私の廻りに集りUさんとOさんとが御浄霊しながら、呼び続けていて下さいました。この間約二十五分位と思います。下車駅に着く迄一心に御浄霊して下さいましたが、全身氷のように冷えきって全然熱が無くなってしまいました。駅からはリヤカーで運ばれました。Uさんが御心配下さいまして、Oさん外二名の信者さんにお願いしまして、家迄来て頂き浄霊をして下さいました。六時半頃より八時、九時と続けて下さいましたが、どうしても体に熱が出てこないのです。御浄霊を頂きながらもともすると意識を失いがちでした。十時頃迄続けて頂きましたところ、いくらか手足にぬくもりを感ずるようになりました。それから三十分位たちましたら、全身にほんのりと暖かさを感ずる位になってきました。Oさんが「こんどは大丈夫だよ、しっかりしなさい」と励まして下さいました。それからどんどん調子がよくなって参りまして、おかげ様で元気になりました。
このおろかな私をも神様はお救い下さいました。大光明如来様の御守護がなかったなら、既にこの世の人ではなかったのです。
ああ私は再び溌剌たる肉体と、永遠の生命を与えられたのです。
入信いまだ日の浅い私ごとき者に迄も大御恵を賜わりただただ感謝で胸が一杯でございます。明主様ありがとうございます。
なお私が意識不明の間の事をUさんが、お話して下さいましたから、そのままを書かせて頂きます。
「講演会が終りまして列車に乗込みました私共は、今日の盛大さに心の底から嬉しさが込み上げ、喜々として語り合い、まさに天国列車のようでした。大分走った頃、前に座っていたK.Sさんが立って行ったので、はてな、何だろう便所かなと、思っておりますと、すぐ戻って来まして、坐ったと、思った途端に倒れてしまいました。びっくり仰天声も出ませんでした。みんなで「どうした、どうした」「K.Sさん」「K.Sさん」と、口々に呼んでみましたが、何の受けこたえもありません。肩に手を掛けて起そうにも、死人のようで起きません。顔色は青ざめ、口びるは見る見る土色になって行きます。周囲におります信者さんと共に、一心に心の中でお祈り致しました。早速御浄霊も致しました。脈を見ると、だんだん弱くなり額に手をやれば冷えて行くのがわかります。どうしてよいやら、何をお念じしてよいやら、さっぱりわかりません。あまりの事に呆然と御浄霊だけしておりました。その内にとうとう脈はきれ、呼吸は止り、冷えきって、つめたくなってしまいました。
死、死、死んだ。死んでしまったのだ。いやまだ大丈夫だ御守護がある。いやもう駄目だ。手を引いた方がいい、御浄霊をやめようか、いや最後迄、ここは列車の中だ、未入信の人も見ているだろうし、やめよう。
心の中は支離滅裂でした。随分長い時が過ぎました。恐ろしい、苦しい、呼吸の止りそうな時でした。生れて初めて味わう恐ろしさでした。四時間も五時間もあったようでした。が実際は二十五分位でした。
つむった目が開かれ、呼吸を始めました。そのときの嬉しさ「アッ助かった」「K.Sさん」「御守護だ、御守護だ」「よかった、よかった」と口々に喜び合いました。自分が救われたような嬉しさでした。この時は本当に何もかも忘れました。総ての苦悩から開放された喜び、天国に救われた歓喜だったと思います。言葉には言い現わす事は出来ません。私も十三年間も床に就いたきりで苦しんでおりましたのが、救われたのですが、その喜びにも勝る喜びでした」
おかげ様にて助けて頂きました。明主様あらためて御礼申し上げます。本当に有難うございました。