『信仰雑話』序文 (信仰雑話 昭和二十四年一月二十五日)

私は約三十年、信仰生活を続けて来たが、其長い間殆んど茨の道であった。官憲の圧迫、借金の苦しみ、病苦との闘い等々、筆舌に尽し難きものがあった。人間としての凡ゆる苦しみを体験したような気もする。その半面神の守護、人々の支援等も尠からずあって、苦楽相半ばするという訳であった。それ等によって神仏の実在、信仰の妙諦、生と死との意義等々、幾多の貴い経験を経て知り得た中から、興味あるもの、教訓に富んだもの等を集録して成ったものが此著である。信仰者にも無信仰者にも、 学者にも一般人にも、理解され得るよう意を注ぐと共に、此著を読んで些(イササカ)かなりとも 安心立命の目的に資するを得れば幸いと思う次第である。(S23・8)

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