御教え集18号 昭和二十八年一月三日③ (大芝居)

 それについて霊的でなく体的の事の大体を話してみると、一番は熱海のメシヤ会館がいよいよ来月か再来月あたりから建築に取りかかるわけですが、今基礎工事をやってます。会館の模型を造りましたが、随分荘厳な形になると思ってます。何時も言うとおり、これはフランスのル・コルビュジエという人が始めた建築様式で、今日では世界的に一つの建築様式として風靡した様な形です。けれども直線的のごく単純なやり方で、アパート、官庁、会社といった様な、つまり実用向きの様式になってます。それで宗教的には今まで全然手を触れていません。今までの宗教建築と言えば、これはキリスト教でも仏教でも神道でもそうですが、何百何千年前の様式と同じ形をとっているのです。築地の本願寺も鉄筋でやり方は随分近代的ですが、あの形はインドの古い形式をとったものです。これはお釈迦様を祀るのだから当り前でしょう。本尊様が古い時代ですから……。しかし救世教は本尊様が新しいのだから建築も新しいというので、これも当り前かも知れません。ですからごく新しい様式での、この宗教建築というものはまだ世界にありません。コルビュジエという人はこの春何かの嘱託で日本に来る事になってます。そして二年いる予定だという事が新聞に出てましたが、会館を大いに見せて批評してもらおうと思ってます。そういう様なわけで形は非常に新しいのです。それでそういった直線的の建築で荘厳味を出そうというのですから、一寸無理な様ですが、出来たらわりあいに荘厳味が出るつもりです。それで入口から内部と凡て新しくしました。内部は劇場的になってはいけないと思って大いに注意しましたが、相当成功すると思ってます。それから展望台はメシヤ会館と一緒に出来る筈です。これはガラスの丸い家ですが、もう少したったら模型もこしらえて出します。これも世界にはないと思います。ガラスの展望台式の家はアメリカにもあって、私は写真で見た事がありますが全然違います。ですから私が今度やるのは世界に例がありません。そういう様に凡て新しい物を造るという事は、何時も言うとおり熱海は現界の型になります。従って新しい世界の型になるのです。それで熱海に出来るとそれが世界に写りますから、そこで世界も非常に変って来ます。

 それで栄光の新年号に「⇒世界夢物語」というのを出しましたが、読まれたでしょう。大体ああいう様になっていくわけです。それでいろいろの変化とか時の早い遅いはあります。それは要するに神様と悪魔の戦いですから、両方が千変万化の形をとりますが、大体はああいう形をとっていくのです。というのは東方の光が現われて、だんだん光が世界的に拡がって行きますから、朝鮮から中国、中央アジア、ヨーロッパと拡がっていきます。それでアメリカは別の意味で緯の国ですから、そこで経と緯を結ぶという事になります。それで二十年に終戦になったという事はその意味も含まれてます。ですから二十年に経と緯を結んだのです。十九年まではそうではなかったが、二十年で結ばれたのです。昭和二十年八月十五日に決まったのですが、そこでアメリカと日本を結ぶという事は、体の代表と霊の代表、緯の中心と経の中心が結ばれたという事で、それが二十年なのです。そこでアメリカと日本と結ばれなければならないというので、今度アメリカのロスアンゼルスに支部をつくる事になってます。その足がかりとしてハワイのホノルルにもつくるわけです。そうしてアメリカをだんだん開拓していくつもりです。丁度幸いにも「⇒アメリカを救う」という本も出来ましたから、あれを宣伝用として大いに使います。それで日本文だけは出来ましたが、英文は来月か再来月になりますから、最初は日本文だけであっちにいる日本人に分らせ様というわけです。英文に訳す人はとに角その方面では第一人者だそうで、大統領に見せる文章もその人が訳するそうですから、飜訳についてはよほど手腕のある人に違いありません。それであれを読んだら相当問題になるだろうと思います。問題になれば大いに売れますから、アメリカで大いに売れるだろうと思います。ですから非常に外貨獲得の一助にもなります。外貨獲得と言うと大きな話ですが、そればかりでなく、救世教の財政も楽になりますから大いに仕事が出来るだろうと思います。なにしろあっちは、いいとなると一ぺんにひろがるという国民性がありますから、その点においては非常におもしろいです。従って数も出ますし、アメリカで売れるという事になると、日本人はなおさら有難がって買います。無論ヨーロッパ方面にも売れるでしょう。神様の方は、取らぬ狸の皮算用ではないと思いますから、そういう様でだんだん世界的になっていきます。

      それから中国の方も紅卍字会がいずれ働く事になりますが、とに角中共政府がああやっていたのではそれが出来ないから、そこで神様はいい工合に地ならしを始めるわけです。そうしてちゃんと宗教宣伝のやりいい様な状態にお膳立てをするわけです。そうしたらこっちも中国に大いに宣伝して中国を救うという段取りになるわけです。ですから「⇒世界夢物語」に書いてあるとおり、今度アイゼンハウアーがいずれ朝鮮に対して積極的に大攻撃をやるだろうと思いますが、それでも埒(ラチ)があかないのでどうしても満洲あたりに行って、その結果戦禍が中国全土に及ばざるを得ないという状態になります。神様は古い汚たないものを綺麗にしていろいろ地ならしをして、そうして新しい地上天国を造られるのですから、そういった変化が今年からボツボツ起って来ますから、そのつもりでそういう事を知っていて見ると一つの興味がある話です。しかし随分いろいろと悲惨な事があるのを興味本位に見るという事はけしからん話ですが、しかしこっちは建設の方ですし、それにべつに私がやるわけではなく、神様のやる事だから、お気の毒でもあるが、それでいいのだという意味にもなるわけです。

      そういう様なわけですから、建設が進むに従って破壊も進んでいくというわけです。ここのところに実に微妙な神様の経綸があるのが分ります。それが分らないで見ると、何がなんだか見当がつきません。つまり芝居なら筋書ですが、それを救世教信者は分っていて見るから、つまり芝居の役者でなく見物人、お客様の方です。しかし芝居でも悪役と善役とあります。どんな芝居でも、見れば分るとおり、善の役というのは悪役に苦しめられるものです。そうして散々苦しめられたあげく、最後に至って悪の方が成敗されて善の方が勝って、めでたしめでたし、というのが大体の筋です。やはり世界の芝居でも同じ様で、そういう様な脚本でつくられるわけです。神様が何万年も前につくられて、そういった筋によってやられるわけです。とに角大変に大きな芝居です。その大変に大きな芝居を見物できるのですから、今生まれて来て救世教信者になっている人は開闢以来ない芝居を見られるわけです。その代りだんだん明かるくなりますから、病気もうんと起って来て、それは恐怖時代が来ます。その時に戦争の方の芝居は見物人になってますが、その病気の時には大いに活動しなければなりません。しかし人を助けるのですから戦争の役よりかずっといいです。それにこっちは被害を被らないで、大いに喜ばれるといういい役をするわけです。この話はそのくらいにしておきます。

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