昭和二十七年一月御教え一月一日
【御教え】
今日はお天気が良し、暖かで――結構なお正月と言うんでしょう。つまり、気候や天気と言うものは、人間の心が写るんだから、まあ――何ですね――世界大戦も、この分じゃ当分大丈夫だろうと言う安心感が――今年は、講和にもなるし、人間の心がそれだけ――安心感が陽気に写ったと言って良いですね。
それからちょっと、時局のことをお話しますけれどもね。大体、朝鮮問題にしろ、凡る問題にしろ、米国とソ連との争いですね。争いと言った処で、ソ連の方が喧嘩ふっかけて、米国の方が相手にならざるを得ないと言うのが実際ですね。処が、最初北鮮軍が、えらい勢でやるのはやった。ある程度成功したけれども、結局アメリカの力ですね――力に押しまくられて、段々段々手も足も出なくなった。と言う訳なんで、また根本から言うと、一つの大きな希望と言うよりか、試しにやって見ると言う――米国が何の位力があるか、あるいは自分達の方が――中共の方が、何の位力が出せるかと言う事を、ソ連が試しているんですね。試したと言って――あわ良くば、大いに世界制覇をやろうと言う様な――そこ迄は中々いきそうもないから――之以上やったら、自分達の方が損だから――駄目になるから、その辺で妥協するんじゃないか――つまり、この辺でグジャグジャにして了おうと言う様な考えで、停戦――休戦交渉と言うものは始めたんです。それで、ソ連の方の腹の底の底は、できるだけアメリカの力を弱らせ様と言う――要するに消耗戦術ですね。その方策が一貫している訳なんです。ですからピタッと平和にしてしまっては駄目なんです。だから、朝鮮問題にしろ、ただただ引き延ばしに引延ばして、すっかり平和の握手もしないで、そうかと言って、戦争で闘う様にもしないと言う――旨くアメリカを操って――そうして中東ですね。あの辺も、今中々ゴテゴテしてます。大分フランスなんか景気が良いですが、あれも相当アメリカの援助の為なんです。それからイラン、イラクですね。あの辺なんかも――あれは英国ですね。英国の力を弱らせる為です。それからエジプトとか――そう言うのは、一筋の脈があって、操っているんですが、そんなこんなで段々アメリカの力を弱らせて――そんな様な意味からは、成功してますね。アメリカがヨーロツパ統一軍を作る為――整備する為の金も大変なものです。それからイラン、イラク、エジプトの問題も、その為にアメリカが直接、どうと言う事はないが、あの為に英国が非常に打撃を受けている。英国が打撃を受ける為、英国が非常に財政逼迫すると、どうしてもアメリカが助けなければならない。英国のチャーチルが、トルーマンと会議をしますが、結局は金なんです。金を、一つ貸して貰いたい――融通して貰いたい。こう言う訳なんです。それは、結局アメリカの財政に間接に響くんです。そう言う風にして、段々アメリカを弱らせると言う根本を考えていけば、之からの世界の動きと言うのは分かるんです。そうしてソ連の腹の底は、充分弱らせに弱らして、それから一挙にやろうと言う計画です。ですから、一方で弱らせる方法を採って、一方で戦備を段々充実する。飛行機の数なんか、よほどできているらしい。それから、ソ連の何とか言う素晴らしい爆撃機ですね。あれはアメリカより性能が上なんですからね。アメリカも、今飛行機が随分やられてます。B29は駄目になっちゃったですからね。それ以上のものをアメリカで拵えてますね。そんな様な具合ですから、今後の世界を見れば、今言った様な事を頭に入れて見れば、大体は解る訳です。それもこれも、五六七の世の前の、一つの――世界を片付けて、清算するんですね。その大きな現われなんです。我々の方は大して問題にはする必要はないんです。まあ――参考に知って置く位で良いですね。