*型、言霊と文字 御垂示録2号 昭和二十六年九月五日⑨

型ですまさせていただく

《お伺い》鳴戸海峡では年に一度、一トン位の使い古した船を投げ込むそうですが、その時は欠片(かけら)が出ないそうです。他の日の事故の時は欠片が出るそうですが、そうなると、年に一回地軸に向って垂れるものでしょうか。それ共常に地軸に向って垂れているのでしょうか。

《御垂示》絶え間なくやっているんです。船を投げ込むと言う事は、人間の方の想念です。身代りです。神様の方は、全て型で――大きな事を小いさい型で済まさせて頂くと言う事ができる。という事になっている。大きな難破をするとか、船に被害があるとか言うのを、小いさく済まさせて頂くと言うんです。人間の想念で吸収されていくんです。年に一度ずつ型をやるんですね。世界中の海の穢れが――段々穢されて、ごくしょうがない物は、あそこに集って地軸に行って、地熱で――何万度か分らない位のもので――焼かれて、浄まっていくんです。潮流の関係で出て来る事もあるが、結局下に行っているんです。

言霊と文字だけで解釈しても、随分色々な事が現われている。

《お伺い》新聞の論説に雄と雌と言うのが出ており、雄は左を上にして寝るとありましたが、我々が手を握ります場合(組合せる)は、拇(おやゆび)を右上の方が気持が良いのですが、中には左上の方が気持が良いと言う人もありますが。

《御垂示》大した事はない。左ぎっちょと言う――あんな様なものです。全て、左は男なんです。左が霊です。だから、言霊から言っても――「ヒダリ」「ミギ」でしょう。「ミ」は体だからね。「ヒダリ」と言うのは「タリ」と言って「充分」と言う事ですね。だから、霊が一杯だと言う事ですね。充実している事です。「ミギ」の「ギ」と言うのは、「技」ですね。だから、仕事には右の腕を使う。左は、使わずに隠居している様だが――最も、上の人の方が、あんまり労働しないですからね。それから、左進右退と言って、左が進み、右が退くと言う事ですね。一番分かるのは、炭団(たどん)や団子を作るのに、こう(左進右退)する。こう(右進左退)すると壊れますね。不思議ですね。理屈は同じですが、こう(左進)やると、ちゃんと丸くなるが、こう(右進)すると壊れる。右進左退は逆だから壊れる。破壊される。遠心的です。こう(左進)すると求心的です。求心的は寄って来るんです。遠心的は離れるんです。それで、求心的が「日」の働きなんです。「日」と言うのは「ヒク」と言うんですね。これは天理教でも言います。「月」は「ツク」と言って遠心的になります。それで破壊される。争いは「ツキ」「ツク」ですね。「ヒク」「引き寄せる」これが平和です。だから言霊と文字だけで解釈しても、随分色々な事が現われている。

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